1991 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞特異的なガングリオシド様糖脂質抗原の生合成に関する研究
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03255208
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学部, 教授 (50025706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 昌吾 京都大学, 薬学部, 助手 (60233300)
小堤 保則 京都大学, 薬学部, 助手 (70205425)
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Keywords | 神経細胞 / ガングリオシド / 糖転移酵素 / グルクロン酸 / パラグロボシド / 大脳 / 胎児 / 坐骨神経繊維 |
Research Abstract |
糖脂質性HNKー1抗原(sulfoーglucuronylーparagloboside)の生合成に関与するグルクロン酸転移酵素について以下のような結果を得た。 1.グルクロン酸転移酵素の活性測定系を確立し、ラット大脳ミクロソ-ム画分のNPー40抽出物中における本酵素の諸性質を明らかにした。合成糖脂質であるラクト-Nーネオテトラオ-ス脂訪酵導体を受容体とし,UDPーグルクロン酸( ^<14>C)を供与体として、NPー40抽出物と反応させると、時間の経過とともに直線的に ^<14>Cーグルクロン酸が受容体に取り込まれた。本酵素活性発現にはMm^<2+>を必要とし、至適濃度は10mMであり、反応の至適pHは4.5にあった。本酵素は燐脂質の影響を強く受け特にホスファチジルイノシト-ルにより活性化させた。。本酵素のUDPーグルクロン酸およびラクト-Nーネオテトラオ-ス脂肪酸誘導体に対するKm値はそれぞれ0.2mM,O.4mMと算出された。 2.本グルクロン酸転移酵素の臓器分布を調べた。大脳に最も高い活性が、ついで小脳に活性が見いだされた。しかし、肝臓、賢臓、肺、胸腺、脾臓、坐骨神経繊維等には本酵素活性は検出されなかった。 3.発生段階における本グルクロン酸転移酵素活性を調べた。胎生17日齢のラットおよび生後4週齢のラット大脳について比較したところ、本転移酵素活性は4週齢ラットで高く胎児では低いのに対し、糖脂質性HNKー1抗原の発現は逆に胎児で多く4週齢のラットでは少なかった。本転移酵素活性と糖脂質性HNKー1抗原との発現が一致しないという興味ある知見を得た。
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