1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03258220
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山岸 秀夫 京都大学, 理学部, 助教授 (90025429)
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Keywords | FBLー3腫瘍細胞 / CTLクロ-ン / FACS解析法 / 組換え型ワクシニアウイルス / 合成ペプチド / V_<α3> / V_<β3>組合せ / TCR CDR3 / p15gag |
Research Abstract |
FBLー3腫瘍細胞特異的CTLクロ-ンとして、これまでに単クロ-ン抗体法を用いてV_<α1>^+ V_<β10>^+クロ-ンを,サザン解析法を用いてV_<α11>^+ V_<β14>^+クロ-ンをえていたが、新にTCRの鎖,β鎖に特異的な抗体を用いて、個々のMLTC細胞中の表面抗原をFACSによって解析し,新にV_<α3>^+ V_<β3>^+クロ-ンを分離した。そのTCR構造をV_<α3> J_<αc7> C_α/V_<β3> D_β J_<β2> C_<β2>と同定した。いずれも個々のMLTC細胞中では全T細胞中の数十パ-セントにまで増巾されることがある。これまでに同定されたTCR8種について,腫瘍抗原エピト-プの特異性に関与するCDR3領域の構造を比較したところ,疏水性アミノ酸で境界された非電荷型,極性アミノ酸(グリシン,アスパラギン,グルタミン,セリン)の存在が共通に認められた。 CTLの認識する腫瘍抗原エピト-プを同定するために,Hー2D^bプラスミドDNAをモンキ-CVー1細胞株に感染させて,Hー2D^bをMHCとして発現する抗原呈示細胞を構成し,これにgagまたはenvの特定領域の組換え型ワクシニアウイルスを感染し,そのCTLクロ-ンの標的活性を調べた。TCR構造の同定されたCTL千株の他に未同定6株を用いて調べたところ,いずれもenvには傷害性を示さず,gag感染株にのみ特異的でほぼ140アミノ酸残基のp15領域にエピト-プが限定された。そこでp15上流のリ-ダ-部を含むペプチドYLSENMGQTVTを合成してH2ーD^b発現細胞に投与し,CTLの標的ペプチドとなるかどうかをしらべた。このペプチドは,分極化したαヘリックスとしてHー2D^bに呈示される構造としと設計されたが,意外にも細胞傷害活性は顕著でなかった。このことは,むしろ標的活性はP15の内部領域のペプチドで存在することを示している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toshiyasu Hirama: "Conserved V(D)J junctional sequence of crossーreactive cytotoxic Tーcell receptor idiotype and the effect of a single amino acid substitution" European Journal of Immunology. 21. 483-488 (1991)
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[Publications] 山岸 秀夫: "T細胞抗原受容体" Immunology Frontier. 1. 8-14 (1991)
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[Publications] Yuji Matsubayashi: "Participation of a dominant cytotoxic T cell population defined by a monoclonal antibody in syngeneic antiーtumor responses" European Journal of Immunology. 20. 2095-2103 (1990)