1991 Fiscal Year Annual Research Report
コンカナバリンAおよびカナバリン遺伝子の転写制御に関わるシグナル応答の解析
Project/Area Number |
03262211
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山内 大輔 東京都立大学, 理学部, 助手 (40220222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南川 隆雄 東京都立大学, 理学部, 教授 (30087001)
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Keywords | シグナル応答 / 種子形成 / コンカナバリンA / カナバリン / マメ科種子貯蔵タンパク質 / 塩基配列 / 転写制御 |
Research Abstract |
ナタマメ(Canavalia gladiata)の主要な種子タンパク質であるコンカナバリンA(Con A)およびカナバリンの遺伝子の発現に関わるシス領域の同定、および上流域に結合するトランス作用因子について調べ、種子特異的な遺伝子の転写制御に関わるシグナル応答の解明を試みた。 1.DNA結合タンパク質CaBP1の結合配列:Con Aおよびカナバリン遺伝子の5'上流域に結合するタンパク質CaBP1について、まずカナバリン遺伝子における結合配列をDNaseIフットプリント法を用いて調べた。その結果、検出された6ヶ所の結合配列にはATが17bp以上連続しているという特徴がみられた。Con A遺伝子の上流-602から+1までにもATが15bp以上連続する配列が存在し、そこにCaBP1が結合すると予想された。 2.形質転換植物を用いたシス領域の同定:カナバリン遺伝子の5'上流-734bpおよび翻訳領域を含む約5Kbをタバコに導入した。得られた形質転換体の種子中にのみカナバリンの蓄積が認められた。したがって、この配列中に種子特異的な発現に関わるシス領域があると推定された。一方、Con A遺伝子についてはその5'上流域-1016,-602,及び-74までとβーグルクロニダ-ゼ(GUS)遺伝子との融合遺伝子(ConP1ーGUS,ConP2ーGUS,ConP3ーGUS)をそれぞれ作製し、タバコに導入した。ConP1ーGUSではConP2ーGUS、ConP3ーGUSと比べると高い活性が種子中でのみみられた。それゆえ、Con A遺伝子の5'上流-1016〜-603に種子特異的な遺伝子の転写制御に関わるシス領域が存在することが示された。 以上のことをまとめると、Con A遺伝子のCaBP1の結合配列を含んだ5'上流-602まででは種子特異的な転写には不充分であり、-1016までの領域が必要であることがわかった。
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