1991 Fiscal Year Annual Research Report
内因性MPTP類似物質であるテトラヒドロイソキノリンの代謝と神経毒性に関する研究
Project/Area Number |
03263210
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
舟羽 利充 名古屋大学, 医学部, 構師 (20208268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永津 俊治 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40064802)
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Keywords | パ-キンソン病 / 脳 / MPTP類析物質 / テトラヒドロイソキノリン(TIQ) / Nーメチルノルサルソリノ-ル / Nーメチルサルソリノ-ル / ガスマロマトグラフィ- / 質量分析法 / マイクロダイアリシス |
Research Abstract |
MPTPがヒト、サルにパ-キンソン病症状を発症させる神経毒物であることが明らかになって以来、パ-キソン病の発症原因として外因性あるいは内因性のMPTP類似化合物の可能性が提唱されている。内因性MPTP類似化合物の候補物質として1,2,3,4ーテトラヒドロイソキノリン(TIQ)がヒト脳内に検出されサルに皮下投与することによりパ-キソン病症状を引き起こすことが明らかになった。TIQの関連化合物がパ-キンソン病の原因である可能性を検討するために、ガスクロマトグラフィ-/質量分析法(GC/MS)によりパ-キンソン病患者脳内のTIQ関連化合物の検出を行った。 パ-キンソン病患者の脳からフェニルボロン酸カラムを用いて得られた抽出物をトリメチルシリル(TMS)化してGC/MSにより分析したところ、1,2ージメチルー6,7ージヒドロキシー1,2,3,4ーテトラヒドロイソキノリン(Nーメチルサルソリノ-ル)、2ーメチルー6,7ージヒドロキシンー1,2,3,4ーテトラヒドロイソキノリン(Nーメチルノルサルソリノ-ル)を新しく検出した。これらは脳内で各々サルソリノ-ル、ノルサルソリノ-ルからNーメチル化により生成すると考えられたため、ラット脳をマイクロダイアリシス法によりサルソリノ-ルを含むクレブスリング液で潅流し、潅流液中にNーメチルサルソリノ-ルをGC/MSの選択イオン検出法により検出した。このことより脳内のNーメチルサルソリノ-ルはサルソリノ-ルのNーメチル化により生成することを証明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 舟羽 利充: "Presence of 2ーmethylー6,7ーdihydoxyー1,2,3,4ーtetrahydroisoquinoline and 1,2ーdimethy1ー6,7ーdihydroxyー1,2,3,4ーtetrahydroisoquinoline,novel endogenous amines,in parkinsonian and mormal human brains." Biochem.Biophys.Res.Commun.177. 603-609 (1991)
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[Publications] 舟羽 利充: "パ-キンソン病患者脳内におけるテトラヒドロイソキノリン関連化合物のGC/MSによる検出" 日本医用マススペクトル学会講演集. 16. 117-120 (1991)