1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03264211
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 京都大学, 医学部, 講師 (10025661)
|
Keywords | エキソサイトシス / 膜容量 / 胃酸分泌 / Ca^<2+> / サイクリックAMP / 蛋白キナ-ゼ |
Research Abstract |
ERで合成された蛋白質の特定の膜コンパ-トメントへの選別輸送はいくつかの膜融合過程より成立している。その最終目的地が形質膜である場合、膜融合ステップはエキソサイトシスの形で終了する。この最終ステップである「分泌小胞膜ー形質融合」の分子機構を明かにすることが本研究の最終目的である。最近、小胞膜輸送のいくつかのステップが無細胞in vitro系に再機成され、それらの分子機構の多くが明らかにされた。とくにオルガネラ間小胞膜輸送における低分子量GTP結合蛋白質(G蛋白)とNEM感受性蛋白因子(NSF)の関与の解明は特筆に値する。しかし、このNSFの「小胞膜ー形質膜融合」への投割は未だ不明のままであり、G蛋白のそれもyest系ではかなり明らかにされたが、哺乳動物細胞系では未だ不明である。また、分泌過程での蛋白キナ-ゼの関与が示唆されてきたが、「小胞膜ー形質膜融合」ステップでの役割の直接的検討は未だなされていない。そこで本研究では哺乳動物細胞エキソサイトシスへの蛋白キナ-ゼ、G蛋白、NSFなどの関与の可能性を検討した。 本年度は、モルモット胃より酵素的に単離した壁細胞(胃酸分泌細胞)にパッチクランプ膜容量測定法を適用して、形質膜とサイトソルをほぼ正常な状況においたままで膜容量増加を指標に「小胞膜ー形質膜隔合」過程をモニタ-した。その結果、ヒスタミンを投与してH,Kーpump ATPaseを小胞膜から管腔側膜へと転座(insertion)させたときに膜容量の増大が観察できることを世界ではじめて示した。このエキソサイトシスは細胞内Ca^<2+>に強い依存性を示すこと、ヒスタミンの効果はdibutyryl cyclic AMPでもミミックできること、また細胞内へNEMを投与したときには強く抑制されることを明かにした。また、サイクリックAMP依存性蛋白キナ-ゼ阻害剤によってこのヒスタミンに対する「小胞膜ー形質膜隔合」反応は阻止されることが明らかとなった。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] T.Kotera: "WholeーCell K^+ wrrent activation in response rorolfages and carbachol in gastric garietal cells isdated from guinea pig" Journal of Membrane biolgy. 124. 43-52 (1991)
-
[Publications] T.Takumi: "Atteration of channel activities and gating by mutations of slow Isk potassiun channel." Jornnal of biological chemistry. 266. 22192-22198 (1991)
-
[Publications] M.Horie: "Micoroundil(2ーnicotinamidoetlyl nitrato)reduces the basal level of witracellular free calcium in single guinea pig heant cells" Cell stracture and Function. 16. 433-440 (1991)
-
[Publications] 岡田 泰伸: "エキソサイトシスの役割と分類" 細胞. 23. 458-459 (1991)
-
[Publications] H.Sakai: "Arachiclonic acid and prostaglandin E_2 achivate smallーconductance Cl^- channels in the basolateral membrane of rabbit parietal cells" Journal of Physiology. (1992)
-
[Publications] M.Kubo: "Volumeーregulatory Cl^- channel currents in cultured human epitelial cells." Journal of Physiolgy. (1992)
-
[Publications] 岡田 泰伸(杉山武敏 編): "分子病理学" 文光堂, (1992)