1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03265101
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
多田 啓也 東北大学, 医学部, 教授 (20046907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成澤 邦明 東北大学, 医学部, 教授 (90004647)
森 正敬 熊本大学, 医学部, 教授 (40009650)
北川 照男 日本大学, 医学部, 教授 (50058765)
勝沼 信彦 徳島大学, 酵素科学研究センター, 所長 (50035375)
香川 靖雄 自治医科大学, 教授 (30048962)
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Keywords | 単一遺伝病 / 分子生物学 / 細胞生物学 / 遺伝子単離 / 病因変異 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は最新の研究手法を駆使して遺伝病の予防・治療法の開発を目指すとともに、これらの疾患の分子レベルの究明を通じてヒトにおける遺伝子発現や調節機構の未知の部分を解明することにある。 総括班会議を開き、研究の方針を定める共に、第1班(病因遺伝子の単離と解析)、第2班(疾患発症の分子機構の解明)の班会議を開催した。第1班;ポジショナルクロ-ニングによって未知の遺伝子病の病因遺伝子を単離同定するための多型DNAマ-カ-を多数単離し、リンケ-ジ解析や染色体地図を作成した。本研究で新たに単離された遺伝子は細胞分裂に関与するCDC25Hu2、WEE1Hu、cdc25ヒトホモロ-グ遺伝子、更らには熱ショックタンパク質の遺伝子、ヒトsmg GDS遺伝子、rho GDI遺伝子、ヒトR型ピルビン酸キナ-ゼ遺伝子などである。遺伝子発現や調節領域の研究はアルギナ-ゼ遺伝子やアルギノコハク酸合成酵素遺伝子、ミトコンドリアDNAで検討された。第2班;ペルオキシゾ-ム形成障害と考えられるZellweger症候群の病因遺伝子を世界にさきがけて単離し、患者の病因変異を明らかにした。そのほか病因変異を明らかにした疾患はGaucher病、中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症、長鎖3ーヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナ-ゼ欠損症、OTC欠損症、アルギナ-ゼ欠損症、プロテインC&S異常症、糖尿病、CGD、アルビニズム、遺伝性ライソゾ-ム病、TayーSachs病、アポタンパクAー1欠損症、ミトコンドリア脳筋症、遺伝性メトヘモグロビン血症など、多くの症患にわたっている。遺伝子解析の臨床応用も進んでいる。一方、生殖キメラマウスの作成にも成功しており、モデル動物での研究が進んでいる。公開シンポジュウムを開催し、班員によって最新の知見が報告され、多数のシンポジュウム参加者と活発な討論が行われた。 研究班の連携を密にするためNews Letterを発刊した。
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