1991 Fiscal Year Annual Research Report
デ-タベ-スと人工知能を用いたRNAスプライス部位選択に関する研究
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03266208
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂本 博 京都大学, 理学部, 助手 (00187048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 謙太 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (60217643)
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Keywords | RNA スプライシング / ル-ルベ-ス・システム / ゲノム解析 / 配列解析 / エキソン予測 / デ-タベ-ス / 知識情報処理 / スプライシング異常 |
Research Abstract |
RNAスプライシングは、真核生物の遺伝子発現研究の分野だけではなく、ゲノム解析においても重要な位置を占めているが、後者にとって一番肝心なスプライス部位選択の機構については依然として不明な点が多い。そこで本研究では、実験.理論両面から基礎的なデ-タと知識を収集し、スプライス部位選択を支配する要因を探るとともに、最終的にはその成果をル-ルベ-スの予測法としてまとめあげることを目標とした。なお、今年度は2年計画の前半部分にあたる。 まず、ヒトmRNA前駆体デ-タベ-スを構築し、そのエキソン.イントロン構造をスプライス部位やブランチ部位のコンセンサススコアとともに図示した。その結果、長大なイントロン中にはスプライス部位類似配列が数多く存在し、それだけでは根本的な解決が望めないことが改めて確認された。これはブランチ部位のコンセンサス配列を同時に考慮しても同様であった。また、知識ベ-スシステムのプロトタイプとして、与えられた前駆体配列から、コンセンサススコアと予測エキソン長の制限をもとにエキソン部分を予測するものを試作した。いわゆる「知識」の組み込みについては、現状では“if then"の形式に乗りやすいものとそうでないものがみられた。次に、スプライス部位選択に関与する因子の有力候補であるRNAの二次構造の影響を調べるために、予測二次構造とコンセンサススコア分布との相関を検討した。既存の方法をスプライス部位予測に組み入れるためには、いくつかの新たに考慮しなければならない点がみられた。最後に、文献検索から異常スプライシングに関するデ-タを収集して、そのデ-タベ-スを現在構築中である。点変異などに伴うスプライシングパタ-ンの変化は、今後の有力な手掛かりになるものと思われる。以上の結果は、第12回日本分子生物学会年会で発表した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nakai,K.: "Expert system for predicting protein localization sites in gramーnegative bacteria." PROTEINS. 11. 95-110 (1991)
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[Publications] Nakai,K.: "Predicting various targeting signals in amino acid sequences." Bull.Inst.Chem.Res.Kyoto Univ.69. 269-291 (1991)