1991 Fiscal Year Annual Research Report
強力なカフェイン感受性チャンネル開口薬MBEDを用いたCa遊離チャンネルの研究
Project/Area Number |
03268202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大泉 康 東北大学, 薬学部, 教授 (00006355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 節 東北大学, 薬学部, 教務職員 (40238986)
古川 賢一 東北大学, 薬学部, 助手 (20165468)
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Keywords | カルシウム / チャンネル / カフェイン / 血管平滑筋 / トキシン / タンパク精製 |
Research Abstract |
まず,ウシ大動脈平滑筋のミクロソ-ム画分の[ ^3H]MBED結合能について検討したところ,特異的な結合部位の存在が明らかとなり,その解離定数および最大結合量としてそれぞれ50nMおよび20pmol/mg‐proteinの値を得た.ついで,この[ ^3H]MBED結合蛋白質の精製を試みた.平滑筋ミクロソ-ムを可溶化し,MonoQカラムによる陰イオン交換クロマトに付したところ,塩濃度が0.2Mおよび0.4M付近に2つの特異的結合能のピ-クが溶出された.前半のピ-クには分子量〜130KDa,〜58KDaの2つの主要なバンドが認められ,一方,後半のピ-クには微弱な多数のバンドが存在した.そこで前半のピ-クを脱塩後,再度MonoQカラムクロマトに付した.塩濃度0.22Mの位置に〜130KDa,〜58KDaの2つのバンドが濃縮された.このピ-クをSuperose6カラムを用いてゲル濾過に付したところ,2つの主要なピ-クが得られ,それぞれ〜130KDa,〜58KDaのバンドに対応していた.このうち〜58KDaのピ-クを含む画分の特異的結合能が最も高かったため,この画分をMonoQカラムクロマトに付したところ,塩濃度が約0.21Mの位置に特異的結合能の鋭いピ-クが検出された.その中央の画分には〜58KDaの蛋白質がほぼ単一バンドとして認められ,MBEDの特異的結合能のピ-クと一致した.以上のようにウシ大動脈平滑筋ミクロソ-ムから〜58KDaの[ ^3H]MBED結合蛋白質が精製されたが,収率が低いという問題点が残された.その機能を調べるためには,収率の高い精製法を確立する必要があるため,現在,この58DKaに対する特異的抗体の調製を進めており,それを用いてアフィニティ-精製を試みる予定である.得られた蛋白質の分子量は,58KDaと,リアノジン結合蛋白質と比較してかなり小さい.今後,この蛋白質が,Ca遊離チャネルとしての機能を有するのかどうか検討する.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Seino,A.,Kobayashi,M.,Kobayashi,J.,Fang,J.,Ishibashi,M.,Nakamura,H.,Momose,K.&Ohizumi,Y.: "9‐methyl‐7bromoeudistomin D,a powerful radio‐labelable Ca^<++> releaser having caffeine‐like properties,acts on Ca^<++> ‐induced Ca^<++> release channels of Sarco‐plasmic reticulum." J.Pharmacol.Exp.Ther.,. 256. 861-867 (1991)
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[Publications] Kobayashi,M.,Nakamura,H.,Kobayashi,J.&Ohizumi,Y.: "Mechanism of inotropic action of xestoquinone,a novel cardiotonic agent isolated from sea sponge." J.Pharmacol.Exp.Ther.257. 82-89 (1991)
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[Publications] Kobayashi,M.,Muroyama,A.,Nakamura,H.,Kobayashi,J.&Ohizumi,Y.: "Xestoquinone,a novel cardiotonic agent activates actomyosin ATPase to enhance contractility of skinned cardic skletal muscle fibers." J.phamacol.Exp.Ther.257. 90-94 (1991)
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[Publications] Sato,K.,Ishida,Y.,Wakamatsu,K.,Kato,R.,Honda,H.,Ohizumi,Y.,Nakamura,H.,Ohya,M.,Lancelin,J.,Kohda,D.&Inagaki,F.: "Active site of μ‐conotoxin GIIIA,a peptide blocker of muscle sodium channels." J.Biol.Chem.266. 16989-16991 (1991)
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[Publications] 大泉 康: "続医薬品の開発 第10巻 海洋資源と医薬品II" 広川書店, 548 (1991)