1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03268227
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
竹下 正純 大分医科大学, 医学部, 教授 (50019551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 実 大分医科大学, 医学部, 助手 (00128349)
吉田 敏 大分医科大学, 医学部, 助教授 (50158440)
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Keywords | 不飽和脂肪酸 / モノ不飽和脂肪酸 / 高血圧自然発症ラット / モノクロタリン / 血管内皮 / 血管平滑筋 / ホスホリパ-ゼA_2 / 実験的肺高血圧症 |
Research Abstract |
本研究の最終目標は血管壁細胞(血管内皮および平滑筋細胞)の流動性を変える要因、および高血圧との関係を明らかにするとともに、不飽和脂肪酸特にモノ不飽和脂酸による動脈硬化および脳卒中防止機構を明らかにしようとするものである。今回の報告では、高血圧自然発症ラット(SHR)頚動脈および実験的肺高血圧症の肺動脈における血管壁細胞膜流動性の変化とその機構について述べる。 実験結果 1)SHRの動脈壁をクレプス・リンゲル液中に浸し、窒素ガスを通して無酸素状態に一定時間おき外液に遊出してくる脂肪酸を測定したところ、アラキドン酸をはじめとする不飽和脂肪酸が対照のWKYに比べてSHRの動脈においてより多く遊出していた。 2)ラットの肺動脈の小片についてフ-リエ変換赤外分析法(FTーIR)により脂質メチレン基の赤外吸収を測定する方法を用いて膜脂質の構造の変化を解析する方法を確立した。 3)モノクロタリン投与ラット(60mg/kg体重皮下注射)の肺動脈についてFTーIR測定を行なったところ、投与4週間後に25℃および37℃いずれにおいてもメチレン基の赤外吸収が有意に高波数位置に移動していた。このことは肺動脈の脂質膜構造の乱れ(膜流動性)がモノクロタリン処理より増大していることを示す。 4)無酵素化SHR頚動脈におけるアラキドン酸遊出、モノクロタリン処理ラット肺動脈壁細胞膜流動性の増加の原因を探る目的で、ラット動脈におけるホスホリパ-ゼA_2活性を測定し、ラット心臓における活性と比較した。心臓においてはCaー依存性活性が非依存性活性の約2倍であった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yubisui Toshitugu: "Structural Role of Serine 127 in the NADHーBinding Site of Human NADHーCytochrome b_5 Reductase." Journal of Biological Chemistry. 266. 60-70 (1991)
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[Publications] Takeshita Masazumi: "Activation of Fatty Acid Condensation in Rat Brain Microsomes." Neurochemical Research. 16. 174 (1991)
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[Publications] Tamura Minoru: "Stabilization of Human Neutrophil NADPHーoxidase Activated in a Cellーfree System by Crosslinking" FASEB Journal. 5. A636 (1991)
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[Publications] Ogata Kenichi: "Spermine Downーregulates Superoxide Generation Induced by fMetーLeuーPhe in Electropermeabilized Human Neutrophils" Biochemical and Biophysical Research Communications. 182. 20-26 (1991)
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[Publications] Yoshida Satoshi: "Change of Conformational Disorder in Membrane Lipids in Pulmonary Artery of Monocrotalineーinjected Rats Detected in situ by Fourier Transform Infrared Spectroscopy" Vibrational Spectroscopy. (1991)