1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03299109
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
青木 延雄 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20048937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居石 克夫 九州大学, 医学部, 教授 (70108710)
斉藤 英彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
山崎 博男 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (50013826)
岩永 貞昭 九州大学, 理学部, 教授 (90029942)
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Keywords | 血栓性素因 / 血液凝固 / 血小板膜糖蛋白 / 血小板無力症 / 組織因子 / フォルウィルブランド因子 / 血液型糖鎖 / トロンボキサンA_2受容体 |
Research Abstract |
血栓症やその発症機序において関連のある出血性疾患などは、それらの発症の素因が血液凝固線溶溶機構に関連した蛋白質の欠損あるいは機能異常、換言すれば、それらの遺伝子の異常によることを明らかにし、それらの詳細な蛋白化学的解析および分子生物学的解析を行ない、病因の遺伝子レベルでの診断とその治療法の確立が、領域全体の当初の研究目標であった。3年間の研究期間中、数多くのすぐれた成果が得られ、本領域研究班は、世界的にみても、確実に本領域の研究の進展に寄与したものと考えられる。これまでの研究成果の主要なものは、1.先天性凝固線溶阻止因子欠損症の分子機構としての異常因子蛋白の産生とその細胞内輸送の障害。2.von Willebrand因子(vWF)の構造の解明とその遺伝的異常の成立機序の解明。3.組織因子(TF)の全一次構造の解明と凝固VII因子(F VII)との分子間相互作用の解明。4.血小板GPIIb/IIIaの欠損病態である血小板無力症の成因の分子機構の解明。5.血小板のトロンボキサンA_2受容体(TXA_2R)の精製。6.トロンボモデュリンの発現の細胞内cAMPによる上昇。などである。1については、アルファ2プラスミンインヒビタ-とプロテインCのそれぞれの先天性欠損症について、遺伝子の異常が解明され、それらの欠損症の成立機序として、産生された異常蛋白の細胞内輸送障害による分泌欠如が明らかにされた。2については、vWFの構造特に新しく糖鎖構造の解明が行われ、血液型糖鎖の解明が行われ、F VII,F IXなどに新規に糖鎖が発見された。4については、血小板無力症血小板および巨核球様細胞株を用いて解明が進められた。5については、TXA_2Rの特異抗体を用いて、構造と機能との関連と、その臨床への応用が進められた。6では、薬物による血管内皮の抗血栓性の増強の可能性が示唆された。
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