1991 Fiscal Year Annual Research Report
フランスにおける「新教育基本法」下教育改革に関する総合的研究
Project/Area Number |
03301027
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
桑原 敏明 筑波大学, 教育学系, 教授 (00015439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤星 まゆみ 尚絅大学, 文学部, 講師 (50150975)
小野田 正利 長崎大学, 教育学部, 助教授 (60169349)
大坂 治 北海道教育大学, 函館分校, 助教授 (60149739)
井上 星児 国立教育研究所, 企画調整官, 普及室長 (70223253)
手塚 武彦 国立教育研究所, 次長 (50000039)
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Keywords | フランス / 教育改革 / 新教育基本法(ジョスパン法) / 教育の平等 / 教育の質的向上 / 教育評価 / 初等教育改革 / 全国教育課程審議会 |
Research Abstract |
初年度は当初の研究目的に沿って、(1)文献資料の収集、(2)1981年以降、今日までの教育政策・改革状況の領域別検討、(3)「新教育基本法」の立法過程の分析、(4)「新教育基本法」と関連法令の分析による教育改革の総カタログの作成、を行った。 まず関東所属のメンバ-による第1回研究会(4月)において、研究の趣旨・計画内容についての確認と、「新教育基本法」の概要、同法の立法趣旨と理論についての発表・討議を行った。合わせて文献・議会資料の収集計画をたて、作業を開始した。これらの資料の講読・分析を分担領域ごとに進め、その成果を第2回、第3回研究会(5月、7月)で発表・検討した。その結果、ア.「新教育基本法」は、教育における不平等の是正(=学校の選別的性格の打破)と、教育の質の向上という二つの課題を同時に達成しようとしており、そのキ-概念が「多様性の尊重」とされていること、イ.同法下の教育改革は、戦後教育に対する抜本的見直しと、21世紀の教育政策理念と戦略の構築、という二重の意義を持っていること、が明らかになった。 以上の研究成果を本研究の中間報告(一)として、日本教育学会(1991年8月29日、於東京大学)において発表した(発表題目「フランスの『新教育基本法』下における教育改革に関する総合的研究(一)」)。 次いで、「新教育基本法」を中心とする教育改革総カタログの作成と、今年度刊行の重要な政府文書(全国教育課程審議会答申)の翻訳・分析作業に着手し、第4回、第5回研究会(11月、2月)ではそれらの検討と、教育評価、初等教育改革に関する研究発表・討儀を行った。上記研究の成果は全メンバ-に送付し、8月と3月に開催した全体打合せ会で総括的な討議と考察を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 桑原 敏明: "フランスにおける教師教育の改革" 日本教育評価研究会編『指導と評価』. 37巻9号. 43-46 (1991)
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[Publications] 小野田 正利: "フランスの1989年教育基本法(ジョスパン法)研究(2)ー付属報告書ー" 『長崎大学教育学部教育科学研究報告』. 41. 13-33 (1991)
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[Publications] 小野田 正利: "フランスの1989年教育基本法(ジョスパン法)研究(3)ー中等学校生徒の権利と義務(1990ー91年改革)ー" 『長崎大学教育学部教育科学研究報告』. 42. 65-88 (1992)
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[Publications] 赤星 まゆみ: "各国の社会と子どもたちー子どもを望む社会〈フランス(1)〉" 『月刊生徒指導』. 21巻6号. 80-85 (1991)
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[Publications] 赤星 まゆみ: "各国の社会と子どもたちー理念と現実のはざまの子どもたち〈フランス(2)〉" 『月刊生徒指導』. 21巻7号. 84-89 (1991)
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[Publications] 池田 賢一: "フランスにおける移民子弟教育政策の評価視点の設定についてーコミュニケ-ション風土の整備に着目してー" 『盛岡大学紀要』. 10. 89-98 (1991)