1992 Fiscal Year Annual Research Report
海洋信仰の考古学的研究ー伊豆諸島における鏡信仰を中心としてー
Project/Area Number |
03301049
|
Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
永峯 光一 國學院大學, 文学部, 教授 (70172559)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 豊 國學院大學, 考古学資料館, 学芸員 (50150628)
内川 隆志 國學院大學, 考古学資料館, 学芸員 (80176677)
武藤 康弘 東京大学, 文学部, 助手 (80200244)
椙山 林継 國學院大學, 日本文化研究所, 教授 (90158973)
加藤 有次 國學院大學, 文学部, 教授 (70052115)
|
Keywords | 伊豆諸島 / 鏡信仰 / 中世和鏡 / 伊豆利島堂ノ山遺跡 / 伊豆大島和泉浜遺跡 |
Research Abstract |
平成4年度の調査研究の主要点は、(1)三宅島に於ける中世和鏡の悉皆調査。(2)利島堂ノ山神社祭祀遺跡の発掘調査。(3)御蔵島に於ける和鏡の悉皆調査。(4)大島和泉浜C遺跡発掘調査。の4点である。以下概要を述べる。 (1)三宅島に於ける中世和鏡の悉皆調査。(平成4年7月) 神社・個人・教育委員会所蔵の中世出土伝世鏡72面の二次資料化(写真・拓本・計測)を完了した。三宅島に関しては、出土後所在不明となっている数面を除き綱羅した。本調査の成果は、「増補伊豆諸島出土・伝世和鏡基礎集成」に収録。 (2)利島堂ノ山神社祭祀遺跡発掘調査。(平成4年9月) 調査の結果、清浄と観念視された浜の海水中より運び込まれた軽石を無数に敷き詰めた祭祀遺構とそれに伴う各種の祭祀遺物が検出された。検出遺物は、和鏡4面をはじめ青磁椀、灰釉四耳壷,水滴等々で総数二百余点を数える。時代は、平安時代末から鎌倉時代中頃までの所産である。本調査の成果は、伊豆七島域に濃密に遺存している中世和鏡の性格の一端を窺い知らせる点で評価されるべきものとなった。本調査成果の詳細は『伊豆利島堂ノ山神社祭祀遺跡調査報告書』(1993.同調査団)で報告。 (3)御蔵島に於ける和鏡の悉皆調査。(平成4年11月) 当該島に於ける中世和鏡及び神社奉納柄鏡の所在を綱羅すると同時にされらの二次資料化を終了した。 (4)大島和泉浜C遺跡発掘調査。(平成5年3月23日〜7日間の予定) 昨年度の大島地域の悉皆調査の際、和泉浜地区の海浜で発見した7世紀後半に比定される祭祀遺跡で海洋信仰の所産遺跡である事は明白で、鏡の遺存も十分想定できる為、関係機関等の理解を得調査可能となった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 永峯 光一,青木 豊,川崎 義雄,内川 隆志: "「伊豆諸島出土・伝世和鏡基礎集成」" 國學院大學考古学資料館紀要. 8. 134-190 (1992)
-
[Publications] 永峯 光一,青木 豊,川崎 義雄,内川 隆志: "「増補伊豆諸島出土・伝世和鏡基礎集成」" 國學院大學考古学資料館紀要. 9. 112-234 (1993)
-
[Publications] 永峯 光一,青木 豊,内川 隆志 他: "伊豆利島堂ノ山神社祭祀遺跡調査報告" 海洋信仰研究会, 75 (1993)
-
[Publications] 永峯 光一,青木 豊,内川 隆志 他: "八丈小島鳥打・宇津木遺跡調査報告" 海洋信仰研究会八丈町教育委員会, 120