1991 Fiscal Year Annual Research Report
高度科学技術社会に必要な科学・技術リテラシ-育成の基礎的研究
Project/Area Number |
03301103
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大木 道則 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40011407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂元 昴 東京工業大学, 総合理工学研究科, 教授 (00016338)
木村 捨雄 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (90000059)
今栄 国晴 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60023967)
鈴木 善次 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10035165)
飯利 雄一 信州大学, 教育学部, 教授 (10202839)
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Keywords | 科学・技術リテラシ- / 科学教育 / 環境教育 / 情報教育 |
Research Abstract |
本年度は、5回の班全体の会合をもち、また数学に関する分科会を開催するとともに、班長が各研究者や班員以外の科学教育研究者をも訪問して、科学・技術リテラシ-について、意思統一の方向を探った。班員はそれぞれの意見を文章にしてまとめ、それをもとに討論を行ない、さらに意見の集約を行なった文章を書き、それを年度末に印刷した。こ印刷物は、当研究班の来年度の討議資料となると同時に、広く科学教育研究者の意見を求めるための資料として利用する。本年度の研究において問題点として浮び上がったことと班員の合意点の主なものを記すと次のとおりである。アメリカにおいては、「科学・技術リテラシ-」をかなり高度の意味に捕られている。しかし、それは理想主義であるとの批判を免れないであろう。われわれは、知識よりも、新しい場に臨んで根拠を示して意見を言うことができる能力、工夫をして問題を解決できる能力などを科学・技術リテラシ-と言うべきであるとの方向に意見がまとまりつつある。リテラシ-の概念が固まってきたにしても、その教育を子供の発達段階のどのレベルで行なうのか、或は成人向けの社会教育を指向するのかで、研究内容はすっかり変わってしまう。現在のメンバ-からは、その内容をしぼりこむことには無理があるので、2年間の研究においては、それぞれ得意とするところに焦点を絞り、他の問題はその洗い出しに努めるのがわれわれの任務であると考えることにした。学校レベルにおいては、教師の育成が急務であることが指摘された。我が国の教育においては、理科といえども、正解は常にあって、それを探すのが学校教育であるとの位置づけがされてきたからである。われわれの意図するところによれば、正解がない問題にたいして立ち向かうような教師を作らなくては、「科学・技術リテラシ-」の学校教育が成り立たない。困難ではあるが、この辺の研究も揺るがせにできないことである。
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[Publications] 鈴木 善次: "環境教育の現状と課題" 環境技術. 20. 1-4 (1991)
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[Publications] 今栄 国晴: "生徒および教員のコンピュ-タ経験ーー1984年ー1991年" CAI学会誌. 8. 179-187 (1991)
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[Publications] 松田 稔樹: "Logoを利用した小学校高学年における情報教育カリキュラムの開発とその評価" 日本教育工学雑誌. 15. 1-13 (1991)
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[Publications] 下沢 隆: "Notes on Environmental Science Course" 科学教育研究. 15. 145-149 (1991)