1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03302036
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森泉 豊栄 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 康次 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80028133)
吉川 研一 名古屋大学, 教養学部, 教授 (80110823)
山藤 馨 九州大学, 工学部, 教授 (90037721)
川久保 達之 東京工業大学, 理学部, 教授 (10016040)
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
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Keywords | 味 / におい / 味覚 / センサ / 嗅覚 |
Research Abstract |
従来、味や匂いについては客観的尺度がなく人間が行う官能検査が評価方法の中心であった。最近、生体の味覚・嗅覚機能を模したセンサを作り、これにより味や匂いの識別と定量的計測を行う研究が盛んである。本研究は、この分野の研究者の連係により、人工的味、匂い計測システム実現を促進することを目的とする。本年度は2回の研究会を開き、研究の現状につき各自の研究を中心に紹介した。具体的には、栗原は味覚、嗅覚の研究状況を説明し、嗅覚受タンパク質の存否に関する話題を紹介し、岡畑は嗅覚受容器における2分子膜の役割を明らかにするために、水晶振動子に2分子膜を塗り周波数変化から分配係数を求め、匂い分子の構造、分子量、断面積が与える影響を調べた。森泉は水晶振動子に各種の吸着膜を塗りガスセンサ群を作り、この出力パタ-ンよりアルコ-ル飲料、香水、フレ-バなどの識別を行うシステムの開発状況を説明した。都甲は各種の2分子膜を塗った電極の電位や電流の出力パタ-ンから味を識別出来ることを示し、開発中の味識別システムを紹介した。油水界面に界面活性剤が添加されるとマランゴニ効果に代表される不安定性が発生するが、この時発生する界面電位の振動波形は添加される味物質に影響され、波形の形と周波数より物質の同定と濃度の定量が可能である。この現象については吉川が詳しく解説し、川久保、沢田、森泉が最新の実験を紹介した。その他、半導体ガスセンサの選択性を中心とする機能改善法については、白江、平中、森泉が、半導体の表面光電効果を使った免疫センサは勝部が、表面プラズモン波と弾性波を用いたバイオセンサは塩川が、マルチ蛍光スペクトルを用いた化学センサを相沢が紹介した。 以上の研究発表により味、匂いを中心とする化学センサの研究現状が明かになり、次年度における研究討論の共通認識、土台を築くことができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中本,福田,森泉: "水晶振動子ガスセンサの出力予測法" 電子情報通信学会論文誌. J74ーCーII. 450-457 (1991)
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[Publications] T.Nakamoto,A.Fukuda and T.Moriizumi: "Improvement of identification capability in odor sensing system" Sensor and Actuators. 3. 221-226 (1991)
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[Publications] T.Nakamoto,A.Fukuda and T.Moriizumi: "Perfume and flavor identification by odor sensing system using quartzーresonator sensor array and neuralーnetwolk pattern recognition" Proceeding Transducers'91. 355-358 (1991)
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[Publications] A.Fukuda,T.Nakamoto and T.Moriizumi: "Development of odor sensing system for application to whisky quality control" Technical digest of sensor Sympisium. 191-194 (1991)
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[Publications] S.Sha,T.Nakamoto,T.Moriizumi: "Dynamic Behavior of Lipid across a Micropore during SelfーExcided Potential Oscillation" Jap.J.Appl.Phys.30. 1774-1777 (1991)
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[Publications] S.Sha,P.J.Abatti K.Iko,T.Nakamoto T.Moriizumi: "Stable Potential Oscillation of lipid Membrane Supported by a Micropore" Jap.J.Appl.Phys. 30. 1435-1437 (1991)