1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03302047
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河上 省吾 名古屋大学, 工学部, 教授 (60023058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 邦明 名古屋大学, 工学部, 助手 (30242837)
佐々木 葉 名古屋大学, 工学部, 助手 (00220351)
奥田 隆明 名古屋大学, 工学部, 助手 (40233457)
森川 高行 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30166392)
林 良嗣 名古屋大学, 工学部, 教授 (00133091)
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Keywords | 社会資本 / 厚生経済学 |
Research Abstract |
今年度は昨年度に引き続き、社会資本の整備水準の指標を作成するために、公共経済学・厚生経済学的アプローチだけでなく、現状分析のための背景として、歴史に基づく制度のあり方についても研究が行われた。具体的には、鉄道が我が国に導入されその保護育成に重点がおかれた明治時代の制度について研究を行い、状況が異なる現在においてもその思想が制度に生きている問題点を指摘し、解決の方策として交通政策の改革を提案した。同様に高速道路についても、その波及効果を明確にするため、昭和30年代から現在までの文献をたどることで、建設の思想的変遷や、今後の整備のあり方について研究が行われた。また現在の我が国の社会資本整備の水準や活用のための研究も様々に行われた。都市のアメニティ空間である公園の整備について、これまでのような単純に外国との比較でなく、独自の理論に基づいた整備指標の提案を行った。また既存の交通施設についても、その活用を図るといった観点から道路容量を有効に活用するための基礎となる時間帯別交通量予測システムの構築がなされ、ピーク時に集中する交通量を分散させ、渋滞の緩和をはかるための基礎となる需要量予測が可能になった。また渋滞によってその機能が低下している道路の分析を行うために、渋滞時の交通特性の研究も行われ、渋滞時の所要時間の変動を表す所要時間関数の推定とその安定性に関してさまざまな考察が得られた。以上にあげた他にも様々なアプローチによって社会資本の整備水準とその指標化、また付随するものとして社会資本の活用の現状についての研究が行われ、その研究成果をもとにして、社会資本のあり方と現状での整備水準の指標の提案を行ってきた。
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[Publications] 松井 寛,藤田 素弘: "時間帯別通勤時刻分布・配分同時モデルの開発" 土木学会論文集IV. 449. 63-72 (1992)
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[Publications] 野田 宏治,松本 幸正,栗本 譲: "地方都市における高齢者交通の意識分析に関する研究" 日本都市計画学会学術研究論文集. 27. 379-384 (1992)
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[Publications] 深井 俊英: "道路案内標識の整備水準評価に関する研究" 愛知工業大学研究報告. (1993)
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[Publications] 安藤 朝夫・溝上 章志: "地方中核都市における公共交通サービス整備に関する計画評価システムの提案" 交通工学. 27.3. 11-20 (1992)
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[Publications] 渡辺 千賀恵,田中 聖人: "〈高速道路の波及効果〉研究の足跡" 高速道路と自動車. 35. 24-29 (1992)
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[Publications] Higano,Y.: "Land and Lanbor Markets in a Closed City with Congestion Equilibrium vs.Optimum" Studies in Regional Science. 21. 271-304 (1991)
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[Publications] 土木学会編竹内 伝史,荻野 弘,他: "地区交通計画" 国民科学社, 265 (1992)
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[Publications] 森地 茂,竹内 伝史,他: "交通整備制度-仕組と課題-" 土木学会, 351 (1991)