Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 肇 筑波大学, 物質工学系, 教授 (90005934)
山中 高光 大阪大学, 教養部, 教授 (30011729)
虎谷 秀穂 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (20143662)
高田 昌樹 名古屋大学, 工学部, 助手 (60197100)
原田 仁平 名古屋大学, 工学部, 教授 (80016071)
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Research Abstract |
本年度の活動は,研究代表者および研究分担者各々の役割分担を遂行する形式で進められたが,集中的討議の場として,1992年1月20日,21日と箱根において,研究集会を持った。この中で,粉末回折法の最新の2大潮流であるリ-トヴェルト解析法およびパタ-ン分解法に関する基礎的および応用面の討議がなされた。世界的には,リ-トヴェルト法が,主流となっている。日本でもリ-トヴェルト法により種々の酸化物高温超伝導体の解析がなされ研究集会でも論議が活発であった。パタ-ン分解法は,リ-トヴェルト法に比べると世界的な視野では,少数の研究者が研究を行なっているに過ぎないが,完成の域に達した観のあるリ-トヴェルト法に比べ,非常に大きな可能性を有している所から,国内的には,かなりの関心があることが判明した。通常精密結晶構造解析では,単結晶法が用いられるが,近年発達したプロファイルフィティンク法あるいは全回折パタ-ン分解法等の新しい解析法を用いることにより,非常に信頼性の高い結晶構造因子が得られることが判った。これらの解析とマキシマムエントロピ-法とを組み合せることにより,粉末X線回折法により非常に詳細な電子密度分布が求めることが出来ることが判って来た。実験法の発展としては,粉末X線回折実験では,実験室系での実験に加え,放射光による実験の有用性が討議された。その際,実験装置として,従来型のシンチレ-ションカウンタ-による方法だけでなく,イメ-ジングプレ-トを用いる実験の有用性も指摘された。粉末中性子回折実験としては,定常炉による実験とパルス炉による実験が討議された。従来,日本ではパルス炉による実験のみが行なわれて来たが,原子力研究所の改3号炉に設置された高分解能粉末中性子回折装置により,SN比の高い,高信頼性のデ-タが収集出来ることが判った。以上,解析方法,実験法の両面で粉末回折法の新展開が見られることが判明した。
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