1992 Fiscal Year Annual Research Report
食品物性改善のための化学工学的方法と分子論的解析の融合
Project/Area Number |
03303012
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
土井 悦四郎 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (40027181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
久保田 清 広島大学, 生物生産学部, 教授 (70023132)
河村 幸雄 農水省, 食品総合研究所, 室長 (50111977)
上野川 修一 東京大学, 農学部, 教授 (50011945)
松野 隆一 京都大学, 農学部, 教授 (30032931)
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Keywords | 化学工学 / マイクロ波加熱 / エクストルージョンクッキング / モノクローナル抗体 / 加熱ゲル / 大豆タンパク質 / リポソーム / リン脂質 |
Research Abstract |
本研究班は2グループよりなる。1グループは、化学工学的手法を用いて研究を行い、2のグループは、分子論的手法を用いて研究し、両者の討論により研究を進めてきた。1のグループでは、食品のマイクロ波加熱を、速度論的に解析する手法を開発し、エクストルージョンクッキング、高合波処理による水分収着挙動を熱力学関数による解析を行った。食品あるいは医薬品の乾燥状態、すなわち低水分条件が、酵素の安定性に及ぼす影響を水の拡散速度と、水分の存在状態の面から考察した。パンのデンプンの老化現象を、工学的法(圧縮応力の最大値の経時変化)による検討した。また揚げ物調理の一例として、コロッケをとりあげ、その破裂の生じる機構を明らかにした。高度不飽和脂肪酸の包括、粉末化による酸化抑制効果を包括剤の酸素透過速度による評価した。水/油/乳化剤の三成分よりなるW/O/W型エマルションついて分散小胞粒子の水透過性、ゼーター電位に及ぼす小糠類の影響を詳細に調ベた。 2のグループは、モノクローナル抗体を用いて、β-ラクトグロブリンの変性構造の中間状態における立体配置を検出することに成功した。α-ラクトアルブミン.β-ラクトグロブリンの混合系あるいは他の各種球状タンパク質の加熱ゲルの構造と、ゲル形成機構を明らかにした。大豆タンパク質の加工特性並びに生理機能(抗高血圧症)の分子機構を検討した。さらに天然界面活性物質が作る界面膜構造をESRを用いて解析し、リポソーム膜の非対称性と、天然リン脂質によるリポソームの自動酸化と物性の関係を明らかにした。 1と2のグループの結果を総合して食品物性の分子論的知見と化学工学的手法による結果の矛盾点を討論し、食品物性研究の新しい方向を見いだした。
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[Publications] 姫 徳衡,久保田 清,張 戈,羽倉 義雄: "円柱状ジャガイモのマイクロ波加熱乾燥る温度変化と乾燥速度に関する研究" J.Fac.Appl.Biol.Sci.31. 121-126 (1992)
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[Publications] J. Imagi, T. Yamanouchi, K. Okada, M. Tanimoto and R. Matsuno: "Properties of agents that entrap liquid lipids." Biosci.Biotech.Biochem.56. 477-480 (1992)
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[Publications] Y. Kawamura, T. Takane, M. Satake and T. Sugimoto: "Physiologically active peptide motif in proteins." J.Agic.Res.Quat.26. 221 (1992)
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[Publications] 土井 悦四郎: "食品タンパク質の加工特性に関する研究" Nippon Shokuhin Kogyo Gakkaishi. 39. 1163-1169 (1992)