1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03352004
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀川 直顕 名古屋大学, 理学部, 助教授 (70022697)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 成範 高エネルギー研究所, 教授 (00011742)
森 義治 高エネルギー研究所, 助教授 (30124176)
長谷川 武夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (70025386)
安野 愈 名古屋大学, 理学部, 教授 (30022544)
沢田 昭二 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022546)
|
Keywords | ダイバリオン / 偏極重陽子 / 核子構造 / スピンクライシス / ハドロン・スペクトロスコピ- |
Research Abstract |
本年11月、名古屋で開催する「第10回高エネルギ-スピン物理国際会議」を成功させるため、日本におけるスピン偏極に関する研究を発展させるべく、以下の2つの主題の下に2回開催した。すなわち、「中高エネルギ-での(偏極)重陽子を用いた物理」、および「ハドロン構造とスピン」である。 前者のワ-クショップの目的は、高エネルギ-物理学研究所の12GeV陽子シンクロトロンでスピン偏極した重陽子の加速の可能性を追求し、この偏極重陽子および衝突分解した中性子・陽子を使った物理研究について検討した。その結果、12GeV陽子シンクロトロンでは、既に、重陽子を11.2Gevまで加速し、イオン源を偏極イオン源にとりかえれば、11.2GeVのスピン偏極重陽子、5.6GeVの偏極中性子・陽子ビ-ムが得られることが判明し、標的を核子・原子核とした核子ー核子系の基礎的研究および核子ー原子核における核子相関等の研究に全く新らしい分野が開ける可能性を確認した。報告者は延べ15名、参加者は延べ23人であった。 後者の研究会は、現在話題となっている「核子のスピン構造」の問題を中心的に検討するとともに、ハドロンの持つ諸特性をクォ-ク・グル-オンのレベルから解明する事に主眼を置いた。報告は核子ー核子系における新らしい共鳴の可能性の示唆、陽子スピンの起源に関連して話題となっている、スピンの担い手の解明、ハドロンの多様さを表現するクォ-クのスピン依存力の役割、等々と多岐にわたり、今後のハドロン物理学が引き続き取り組むべき課題を明らかにした。このワ-クショップの報告者は延17人で参加者は25人程であった。
|