1991 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化による海面上昇の実態・影響・対応策に関する総合的研究
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03352024
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
三村 信男 茨城大学, 工学部, 助教授 (60133089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花木 啓祐 東京大学, 工学部, 助教授 (00134015)
喜岡 渉 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10135402)
磯部 雅彦 東京大学, 工学部, 教授 (20114374)
泉宮 尊司 新潟大学, 工学部, 助教授 (60151429)
柳 哲雄 愛媛大学, 工学部, 教授 (70036490)
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Keywords | 海面上昇 / 地球温暖化 / 海水の膨張 / 氷河の融解 / 沿岸影響 / 影響評価 / 対応戦略 |
Research Abstract |
本研究の目的は、海面上昇を科学的に予測し、有効な対応戦略を構築するための研究の準備段階として、現在の科学的認識の到達点と不充分性を整理・把握すると共に、次のステップの総合的な研究の企画を行なうことである。そのため、研究班を「海面上昇の実態」「自然海岸における影響」「都市沿岸域への影響」「水域と水質への影響」の4つに分けて、研究を実施した。 その結果、次のような知見を得た。 1)海面水位を変化させる原因には(1)陸地の上昇・沈降、(2)海水の水温変化、(3)氷河の融解、(4)海洋の体積変化、(5)風系や海流の変動などがある。温暖化に関連するのは、(2)と(3)であるが、海面水位とそれらの関係を定量的に明らかにするのは易しくはない。 2)自然海岸としては、砂浜海岸、海崖、河口・三角州、湿地帯・干潟、サンゴ礁、マングロ-ブ植生海浜を対象に広範な文献レビュ-を行なった。これらの海岸に対して、海面上昇が物理面と生態系との両面で大きな影響を及ぼすことを明らかにし、それらの影響が顕在化する経路を示した影響伝搬図を作製した。 3)都市沿岸域では、台風に伴なう高潮や波浪、潮流といった外力の変化が、港湾、漁港、臨海部のインフラストラクチャ-に及ぼす影響が大きいことを明らかにした。文献レビュ-によってこれらの影響の評価手法の到達点を示した。 4)水域と水質についても、文献レビュ-を基礎に海面上昇と水温上昇の影響をとりまとめた。 これらの知見に基づいて、各々の分野における今後の課題を体系的にまとめた。それに取り組むため、平成4年度科研費総合研究(A)に申請するなど、既に次のステップに踏み出しつつある。
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[Publications] 三村 信男,細川 恭史,磯部 雅彦: "海面上昇・地球温暖化の沿岸域への影響の諸相と影響評価の枠組み" 環境システム研究. 19. 15-21 (1991)
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[Publications] 三村 信男,磯部 雅彦,細川 恭史,灘岡 和夫: "地球温暖化による海面上昇・海象変化の影響評価" 海岸工学論文集. 38. 936-940 (1991)
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[Publications] 柳 哲雄,武藤 裕之: "愛媛の気温・水温・水位の長期変動" えひめ博物百科. 2. 41-45 (1991)
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[Publications] 磯部 雅彦: "地球温暖化が沿岸域に及ぼす影響の予測" 土木学会地球環境間題ワ-クショップ講演集. 1-7 (1991)
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[Publications] 筒井 純一,磯部 雅彦: "地球温暖化後の東京湾における高潮の予測" 日本沿岸会議論文集. 4. (1992)
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[Publications] 喜岡 渉,長嶋 禎泰,大倉 康彦: "海面上昇に伴なう伊勢湾潮流特性の変化予測" 土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 255-256 (1992)