1992 Fiscal Year Annual Research Report
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03401012
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Research Institution | DAITO BUNKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 浩 大東文化大学, 法学部, 教授 (20015358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 普章 大東文化大学, 法学部, 助教授 (90194844)
小松 進 大東文化大学, 法学部, 教授 (90006841)
和田 守 大東文化大学, 法学部, 教授 (80007236)
坂井 雄吉 大東文化大学, 法学部, 教授 (10009805)
安 世舟 大東文化大学, 法学部, 教授 (70054806)
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Keywords | 第一次世界大戦 / 第二次世界大戦 / 戦間期 / 資本主義経済 / 国家像 / 移民 / 国民教育 / 地域社会 |
Research Abstract |
1.『第一次大戦期通商産業政策資料集』『社会政策審議会資料集』はじめ諸種の資料集、単行書を購入し、中央政府の政策体系の再編整備過程の検証を行なった。また、この点での資料調査収集にあたって、国立国会図書館、東京大学、京都大学、同志社大学等の図書館を利用した。第一次大戦後の工業化・都市化の進展に伴い、その基盤整備や社会政策など総合施策の立案・決定過程の具体的展開過程を検証することができ、これは本研究の基礎作業となった。 2.理論的側面、地域特性を研明するため、大阪、松山、福岡、熊本、静岡、仙台、山形などに出張し、資料調査収集を実施した。基本資料のみならず県史・市町村史など地方史(地域史)研究の進展状況の調査によって、町村合併の進展や各地域における多様な政策展開の実相を把握することができた。例えば、地域産業や地域福祉の振興は住民組織の再編過程と並行して進められており、それは一方で大正デモクラシー期の政党勢力や民衆勢力の台頭に規定されるとともに、他方で総力戦体制構築に向けての国家施策としての特色を有したのである。 3.戦間期日本資本主義の国家像は、第一次大戦後の国際関係にも規定されており、国際協調と英米先進国との対決姿勢の間で揺れ動いている。その焦点として、とくに中国問題は国策決定の重要な鍵となり、大正デモクラットも強い関心を抱いている。この点で、『中央公論』や『改造』はじめ長谷川如是閑の『我等』『批判』、大隈重信・永井柳太郎の『新日本』などのオピニオン誌を検証し、多様な対応を抽出した。 4.これまでの研究で軍部の動向など十分な成果をあげることができなかった点もあるので、それらの補充研究を今後とも進めたうえで、『戦間期日本資本主義の国家像』(田中浩編)として御茶の水書房より刊行予定である。
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Research Products
(21 results)
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[Publications] 田中 浩: "長谷川如是閑の中国論(上)-「国亡びて生活あり」-" 大東法学. 19号. 1-40 (1992)
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[Publications] 田中 浩: "長谷川如是閑の中国論(下)" 大東法学. 22号. (1993)
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[Publications] 田中 浩: "〈現代独裁論〉考-カール・シュミットの全体主義国家論をめぐって-" 世界. 570号. 104-117 (1992)
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[Publications] 安 世舟: "「現存社会主義を崩壊へ導いた諸要因に関する若干の考察-ヘルマン・ヘラーの社会的法治国家論、および社会主義と儒教政治体制との比較の視点からの一接近-" 大東法学. 19号. 93-125 (1992)
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[Publications] 坂井 雄吉: "明治22年の町村合併とモッセ" 大東法学. 19号. 65-92 (1992)
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[Publications] 和田 守: "静岡県国家学会と岡田良一郎の国家思想(一)" 大東法学. 19号. 127-155 (1992)
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[Publications] 和田 守: "静岡県国家学会と岡田良一郎の国家思想(二)" 大東法学. 22号. (1993)
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[Publications] 和田 守: "福祉国家と国民統合-近代日本における社会福祉政策の特色-" 国際比較政治研究. 2号. (1993)
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[Publications] 和田 守: "大正デモクラシーと地域社会の再編-静岡県引佐地域の事例-" 戦間期日本資本主義の国家像(科学研究費研究成果報告書). 5-26 (1993)
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[Publications] 小松 進: "わが国における陪審制-政治制度としての陪審-" 戦間期日本資本主義の国家像(科学研究費研究成果報告書). 27-29 (1993)
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[Publications] 加藤 普章: "比較連邦制度論-その理論と方法について-" 大東法学. 19号. 237-255 (1992)
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[Publications] 加藤 普章: "先住民、連邦、アメリカ・カナダの民族問題" 世界. 576号. 272-273 280-282 290-293 (1992)
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[Publications] 加藤 哲郎: "分化するジャパノロジー" 窓. 10号. 73-86 (1991)
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[Publications] 加藤 哲郎: "21世紀の行方" 大東法学. 19号. 369-392 (1992)
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[Publications] 加藤 哲郎: "スウェーデンモデルか日本モデルか" 経済評論. 41巻8号. 23-33 (1992)
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[Publications] 田中 浩: "独裁と自由-『独裁』(1921年)論の現代史的意義(C.シュミット著、田中浩・原田武雄訳『独裁』)" 未来社, 318-343 (1991)
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[Publications] 坂井 雄吉: "井上毅の天皇観(石井紫郎・水林彪編『日本近代思想体系(7)法と秩序』月報23)" 岩波書店, 5-9 (1992)
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[Publications] 和田 守: "地方改良運動の推展、戦時体制と掛川(『掛川市史』下巻)" ぎょうせい, 619-652 1015-1050 (1992)
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[Publications] 加藤 普章: "移民が作った国(米州・豪州)(山内晶之編『入門世界の民族問題』)" 日本経済新聞社, 159-162 (1991)
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[Publications] 加藤 哲郎(ROB STEVENとの共著): "IS JAPANESE CAPITALISM POST-FORDIST?" JAPANESE STUDIES CENTER,MELBOURENE,AUSTRALIA, 35 (1991)
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[Publications] 加藤 哲郎: "社会と国家" 岩波書店, 266 (1992)