1992 Fiscal Year Annual Research Report
磁界重畳型電界放出電子銃の装備による超低加速電子線プローグ応用装置の超高性能化
Project/Area Number |
03402025
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
下山 宏 名城大学, 理工学部, 教授 (30023261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 俊美 名城大学, 理工学部, 助教授 (30076632)
池田 晋 名城大学, 理工学部, 助教授 (20076623)
日比野 倫夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (40023139)
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Keywords | 低加速電子銃 / 電界放出電子銃 / 磁界放畳型電子銃 / 電子銃 / 静電レンズ / 加速レンズ / 減速レンズ / 電子レンズ |
Research Abstract |
1.平成3年度に組み立てを完了した電界放出電子銃(FEG)は、当初目標とした10^<-8>Pa台の超高真空が達成され、現在、数+μAの放出電流を数時間以上にわたり、安定に取り出すことができる。 2.磁界を重畳したダイオード領域のみの測定から、以下の諸点が明らかとなった。(1)陰極チップ-第1陽極間電圧をV_1、ダイオード領域に重畳される有効磁界に対応するアンペア回数をNIとすると、ダイオード領域の焦点特性は、励磁パラメータk≡NI/√<V_1>の値により、ほぼ一義的に決まる。(2)kの値の増加に伴い、ダイオード領域の電子線のangular confinementも増加する。(3)kの値を変えることにより、光源位置を任意にコントロールできる。(4)以上の諸点は、平成3年度に行なった計算結果をほぼ裏付けるものである。 3.つぎに、ダイオード領域とそのあとに続く3電極加・減速レンズ界の両方を考慮したFEGの総合特性を測定した結果、以下の諸点が明らかとなった。(1)第1、第2、第3陽極の紋りを通り抜け、電子銃から取り出し得るビーム電流は、磁界を重畳することにより大きく増加できる。(2)第1-第2陽極間電圧および第2-第3陽極間電圧の任意の値に対して、上記ビーム電流を最大にする最適励磁パラメータkがいつも存在する。 4.電子線プローグ径の測定結果から、第1-第2陽極間および第2-第3陽極間をそれぞれ加速および減速レンズとして動作させ、かつ励磁パラメータを上記最適値に設定することが、高輝度特性を損なわないようなFEGの動作方式であることが明らかとなった。 5.FEGの動作条件と電子線のエネルギー分布の関係を調べた結果、電子線中の電子間クーロン相互作用に基ずくエネルギー分布幅の異常広がりは、放出電流のほぼ1/2乗に比例して増加することが判明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 下山 宏: "電子銃の性能標価" 荷電粒子光学シンポジウム日本学術振興会第132委員会研究会資料. 119. 7-12 (1992)
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[Publications] 日比野 倫夫: "The signal to noise ratio of low dose images observed by TEM and STEM" Proc.5th Asia-Pacific electrom microscopy conference. 1. 94-95 (1992)
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[Publications] 日比野 倫夫: "薄膜レンズによる球面収差補正--3次と5次の球面収差を考慮した位相コントラスト伝達関数と単原子像コントラストのシミュレーション" 日本電子顕微鏡学会 高性能電子顕微鏡技術研究部会予稿集. 7-11 (1999)
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[Publications] 日比野 倫夫: "Characteristics YAG single crystals for electron scintillator of STEM" Journal of Electron Microscopy. 41. 453-457 (1992)
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[Publications] 池田 晋: "走査型電子顕微鏡による半導体素子の検査法" 名城大学理工学部研究報告. 33. 43-50 (1993)