1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03402026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩谷 義 東京大学, 工学部, 教授 (30013733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勝彦 東京大学, 工学部, 助手 (30010911)
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Keywords | 延性破壊 / ボイド / 引き張り試験 / 超音波探傷 / 応力3軸度 / 構成方程式 / 寸法効果 / ディンプル |
Research Abstract |
本研究は金属など構造材料の重要な破壊様式である延性破壊の微視的機構を調べ、明らかにしようとするものである。延性破壊は第2相粒子、結晶3重点などでのボイドの発生・成長・合体の過程から成るが、材料の成分比、応力・ひずみの成分比、変形速度がこの過程に及ぼす影響はあまり明らかにされていない。本研究ではこの延性破壊の過程を微視的に調べ、破壊機構の解明を行う。さらに延性破壊は一般に寸法効果がないとされているが、延性-脆性遷移に伴い生じてくる寸法の影響を、微視的機構の面から解明しようとするものである。 本年度における研究実績の概要を示す。まず、実験においては昨年度購入した万能荷重試験機により応力3軸度を変化させた試験片の破断実験を行なった。試験片材料としては昨年度の軟鋼材料に加え、本年度は不純物の少ないアルミ材料も用いた。試験片としては軸対称切欠き付き試験片を用い、応力3軸度の変化には切欠き半径の変化により行なった。この実験に際しては、ボイドの発生・成長・合体の過程を実時間観察するため、試験片に超音波を透過させ、変形中のその減衰を測定することを試みた。この測定によりボイドの発生・成長の時期、モードが材料・負荷条件によりかなり異なることがわかった。さらに昨年度と同じく平成3年度に購入したX線分析装置と画像解析装置を使用して、走査電顕視野内で破断面の微視的な観察を行なった。観察測定には3次元分析を加え、負荷応力成分比とボイドの成長方向との関係を求めた。また、破面の観察によりディンプル分布の定量的なデータを得ると共にボイドの発生点の特定を試みた。理論解析に関しては単一ボイドの成長モデルの改良を継続し、負荷状態と構成方程式がボイドの体積変化および形状変化におよぼす影響を調べている。
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Research Products
(1 results)