1991 Fiscal Year Annual Research Report
原子層レベルで制御された量子マイクロ構造に基づく高度機能光制御材料とその応用
Project/Area Number |
03402031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多田 邦雄 東京大学, 工学部, 教授 (00010710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 徹 東京大学, 工学部, 助手 (60107571)
霜垣 幸浩 東京大学, 工学部, 講師 (60192613)
中野 義昭 東京大学, 工学部, 講師 (50183885)
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Keywords | 分子線エピタキシ-(MBF) / 結合量子井戸 / 歪量子井戸・歪超格子 / 放物線型ポテンシャル / 電気光学効果 / 電界デカップリング効果 / 偏光無依存スイッチング / 方向性結合器型光スイッチ |
Research Abstract |
1.結合量子井戸の電気光学特性:多重量子井戸システムにおいて井戸間の障壁を薄くして結合を強めた場合にみられる電気光学特性について、理論的・実験的な検討をした。電界デカップリング効果により、結合系の吸収スペクトルを非結合系のものへ変化させることが可能である。また、TEモ-ドとTMモ-ドが吸収端附近で逆の光吸収変調特性を示すことも確認できた。この効果をさらに顕著にするため、井戸層の組成を変化させ、エネルギ-バンドを傾斜させた傾斜結合構造を考案して、低電界で結合系のデカップル状能が実現できた。 2.歪量子井戸・超格子によるバンド制御:格子不整合の大きい半導体同士からなる歪量子井戸・超格子構造では、エピタキシャル層の膜厚がある臨界膜厚より小さい場合、格子不整合は成長層の歪みによる緩和される。現在、分子線エピタキシ-で作製した歪超格子構造の歪状態と結晶性を二結晶X線回折とフォトルミネセンスを用いて実験的に解析している。また、その電気光学特性の偏光依存性を理論的に検討している。 3.放物線ポテンシャル型量子井戸を用いた偏光無依存光スイッチ:放物線ポテンシャル型量子井戸においては、印加電界に対する励起子ピ-クのシフトがキャリアの実効質量に依存しない性質による、偏光に依存しない光スイッチング特性が期待できる。実際に、特価型量子井戸構造を有する導波路型光スイッチを作製し、偏光無依存特性を実証した。 4.量子井戸構造方向性結合器型光スイッチ:量子閉じ込めシュタルク効果を利用したプレ-ナ構造積層型方向性結合器光スイッチにおいて、導波路部分を全て量子井戸構造にすることにより設計に非常に近い最小完全結合長が実現できた。また、分離層の中央部だけに電界を印加することで低スイッチング電圧化が達成できた。
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