1992 Fiscal Year Annual Research Report
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03403008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
半田 暢彦 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (00022559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱 健夫 名古屋大学水圏科学研究所, 助手 (30156385)
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Keywords | 溶存有機物 / Sep-PakC18 / XAD-2 / トヨパールQAE-550 / 非極性有機物 / 極性有機物 / 長鎖炭化水素 / 糖 |
Research Abstract |
海水中における溶存有機物濃度が高いこと、およびその代謝速度に関する測定結果が蓄積されて来たことにより、海洋炭素循環におけるこの物質の係わりの解明に大きな関心が寄せられている。しかし、そのためには、溶存有機物の化学的実体を知ることが最も重要であると判断される。本研究は、沿岸および西部北太平洋水(外洋水)を対象にして、海水から溶存有機物を分離し、その化学的特性を明らかにすることを目的とした。 本年度も、初年度にひき続き、Sep-PakC18、XAD2-8を用いて、非極性有機化合物の海水からの分離を検討した。特に、本年度は溶存有機化合物の定量的回収方法の開発を目指した。その結果、非極性有機物の吸着剤に対する吸着特性を明らかにすることが出来た。特に、有機物の濃度と吸着剤中を流す海水の速度(流速)が大変重要であることを認め、82.5-97.0%の回収率で、海水から非極性有機物を分離する方法の開発を完了した。 こららの非極性有機物のうち、長鎖炭化水素、脂肪酸など脂質については、本年度購入したガスクロマトグラフー質量分析を利用し、それらの構造解析を行い、貴重な分析結果を取得した。 極性有機化合物の海水から分離も、本年度の検討課題の一つとして挙げた。この点に関しては、QAE-トヨパール550を吸着剤として用い、海水から極性有機化合物の分離を試みた。その結果、糖、アミノ酸、極性農薬(除草剤、殺虫剤、殺菌剤など)などの分離が可能であることを認めた。特に、極性農薬などの化合物については有効であることを認めた。しかし、低分子量の糖、結合型アミノ酸に対しては、回収率が60%以下の場合もあり、現在なお、吸着条件の検討を行いつつある。分離した極性有機化合物のキャラクタリゼーションはほぼ完了している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Handa,N.: "Vertical fluxes and ecological significance of organic Materials during the phytoplankton bloom Anrtrctica." Marine Biology. 112. 469-478 (1992)
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[Publications] Handa,N.: "Diel photosynthetic production of cellular organic matter in natural phytoplankton population 1.Monosaccharides." Marine Biology. 112. 175-181 (1992)
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[Publications] Handa,N.: "Diel photosynthetic production of cellular organic matter in natural phytoplankton population 2.Fatty acids." Marine Biology. 112. 183-190 (1992)
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[Publications] Handa,N.: "The dynamic changes of stable isotopic ratios of carbon and nitrogen in suspended particles during a phytoplankton bloom." J.Marine Research. 50. 267-296 (1992)
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[Publications] Hama,T.: "Primary productivity and photosynthetic prodrcts around the Kuuroshio warm-core ring." Deep-Sea Rexearch. 39S. S279-S293 (1992)
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[Publications] Hama,T.: "Fatty acid composition in photosynthetic products of natural phytoplankton population in Lake Biwa,Japan." J.Plankton Research. 14. 1055-1065 (1992)