1991 Fiscal Year Annual Research Report
界面機能性セラミックスによる環境汚染物質の分子認識と直接分解プロセスの開発
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03403013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳田 博明 東京大学, 先端研, 教授 (20010754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 吉伸 東京大学, 先端研, 助手 (30198254)
宮山 勝 東京大学, 先端研, 助教授 (20134497)
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Keywords | ヘテロ接触 / セラミック薄膜 / セラミックセンサ / 酸化窒素ガスセンサ / 一酸化炭素ガスセンサ / 二酸化炭素ガスセンサ |
Research Abstract |
平成3年度は、酸化亜鉛と酸化銅の界面により一酸化炭素ガスを識別、分解する系について主に研究を行った。スパッタリング装置により両物質の薄膜(厚さ約四千オングストロ-ム)の積層体を作成し、リフトオフ法により溝を設け界面の一部が雰囲気に曝されるような構造体とした。まず、温室での湿度(水蒸気)による電流一電圧特性の変化を測定し、焼結体の接触体と同様な湿度感知特性(順バイアス下のみでの湿度による電流増加)が得られることを確認した。溝が無い構造体ではこのような特性は得られないことから、界面が雰囲気に曝されている構造が特性発現に必要であることが明らかになった。さらに一酸化炭素ガス検知特性を測定した結果、焼結体では加熱が必要であったが、薄膜構造体では室温でも検知可能であることが判明した。焼結体ヘテロ接触でみられた感度、ガス選択性の印加電圧依存性も観察された。これらより、薄膜積層体作製とその微細加工の手法が確立され、この薄膜積層構造が電界効果のある界面機能材料として有用であることが明確となった。酸化窒素ガスの識別と分解の研究のために、酸化銅単体の焼結体により酸化室素ガスによる表面抵抗変化を測定した。明らかにガス導入時に抵抗変化が観測され、報告されている銅含有触媒のデ-タと合わせ、今後の研究対象材料を酸化銅および銅含有酸化物に絞ることを決定した。二酸化炭素検知用材料として、二酸化炭酸に対して活性なLiを含むB型酸化のバナジウムを薄膜をゾル-ゲル法を用いて作製し、その微細構造と電気物性を調べた。薄膜においては、結晶構造中に存在するトンネルは膜に対して垂直方向に配向していることが明らかとなった。高いLiイオン一電子混合導電性を示し、特に膜に平行方向のイオン導電性は無配向焼結体のものより2桁以上高い値を示した。構造と電気物性の異方性により特異な感度を持つことが予測された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yoshinobu Nakamura: "Oxidizing Gas Sending by SiC/ZnO Hetrocontact" 日本セラミック協会学術論文誌. 99. 823-825 (1991)
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[Publications] Toshiyuki Shirakawa: "Effect of Electric Field on Surface Electrical Resistance of Cuo/ZnO HetroーContact" J.Mater.Sci.Left.10. 381-383 (1991)
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[Publications] Yoshijiro Ushio: "Fabrication of Thin Film CuO/ZnO Hetrojunction and its Humidity Sending Properties" Sensor and Actuators.
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[Publications] Yoshinobu Makamura: "Humidity Sensitive Electrical Conduction along AcidーBasic Oxide Interface" J.Amer.Cream.Soc.
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[Publications] Masaru Miyayama: "Interface in New Materials(共著)" Elsevier Applied Science, 283 (1991)