1992 Fiscal Year Annual Research Report
緑葉の老化を支配する遺伝子の構造と発現に関する研究
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03404002
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡辺 昭 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高部 鉄子 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60089852)
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Keywords | 老化 / 植物の老化 / CDNAクローニング / グルタミン合成酵素 / トランスジェニック植物 / 窒素の転流 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
前年度において緑葉の老化のごく初期に発現する遺伝子を単離し、この遺伝子が緑葉細胞内の糖のレベルが低下したことに応答して発現するという、きわめて特徴的な調節を受けるものであることを明らかにした。レポーター遺伝子を用いた形質転換植物を作製することによってこの遺伝子の調節領域の解析を進め、転写開始点から-418塩基と-609塩基の間に糖の濃度にたいする応答に関与する構造が存在することが示された。 葉の細胞のタンパク質が老化の過程で分解され、その窒素は多くの植物種でグルタミンとして他の器官へ転流されて再利用される。前年度までにグルタミンの代謝の中枢に位置するグルタミン合成酵素のうち、細胞質に局在するイソォーム(GSI)の三つの遺伝子のうち二つが老化の後期に強く発現することを見いだしていた。それぞれの遺伝子のクローンの候補が単離され、現在その構造を解析中である。また、抗体を用いた実験により、このGSIは葉肉細胞ではなく、老化葉の維管束組織に強く発現することが確認され、転流形態であるグルタミンの合成が篩管近傍で起こっていることが推定された。遺伝子特異的プローブを用いたハイブリダイゼーションに化学的な手法によって上記二つの遺伝子が維管束に特異的に発現しているかどうかを確認中である。老化葉の窒素代謝を攪乱したときに植物対全体の窒素配分にでのような影響がでるかを調べる目的で、この遺伝子とアンチセンスRNAを発現するように改変した遺伝子を導入した形質転換タバコを作製中である。 次年度の計画である、暗所におくことによって発現する遺伝子をさらに検索することと、その中から葉緑体へ移行し、老化にともなう葉緑体に退化に関与するようなタンパク質をコードするものを探すための技術的な準備を開始した。
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[Publications] Konishi,T.: "Protein transportinto thylaboid leimen-A Stromel processing and the energy requiremert for the import of the prearsor for the 23 K Dapsolein of PS II" Plent Cell Physiol. 34. (1993)
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[Publications] 渡辺 昭: "緑葉の老化とグルタミン合成酸素" 日本農芸化学会誌. 66. 932-935 (1992)
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[Publications] 渡辺 昭: "植物はなぜ枯れるのか.その仕組みと意義" 日本科学と技術. 34. 32-37 (1993)
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[Publications] Ishitani,M.: "Betaine aldelyde deby drogonase in leaues of both betaine accumulators and nonaccumulators invarous cireat plants" Plent Cell Physiol. 34. (1993)
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[Publications] Arakawa,K.: "Immun ological studies betaine aldehyde dehydrogenase in barley" Plent cell Physiol. 33. 833-840 (1992)
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[Publications] Konishi,T.: "Research in Photosyn The Sis" Murata,N., (1992)