1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03404014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
見上 彪 東京大学, 農学部, 教授 (20091506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠矢 幸伸 東京大学, 農学部, 助手 (20180119)
後飯塚 僚 東京大学, 農学部, 助手 (60205581)
新倉 昌浩 東京大学, 農学部, 助手 (50212113)
辻本 元 東京大学, 農学部, 助教授 (60163804)
甲斐 知恵子 東京大学, 農学部, 助教授 (10167330)
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Keywords | ネコ免疫不全ウイルス / イヌヘルペスウイルス / 持続感染 / 再活性化 / LTR |
Research Abstract |
本研究は動物ウイルスの持続感染と再活性化の機構を,自然宿主を用いて分子生物学的手法により,遺伝子レベルから個体レベルまで広範囲にわたり解明することを目的とする。ウイルスの持続感染では,免疫の存在にも関わらず,ウイルスは体内に潜伏し,宿主の免疫から巧みに逃れる。しかし疫学的,免疫学的,生物学的誘因により,時にはウイルスが再活性化され,その産生が起こり症状が発現する。本年度は主としてネコ免疫不全ウイルス(FIV)のIn Vitroでの持続感染機構と再活性化機構を検討し以下の成績を得た。 1.2種類のネコTリンパ球株化細胞を用いて,各種FIV株の細胞傷害活性を調べた。その結果,ウイルスと宿主細胞の組合わせによっては感染細胞がFIV抗原をほぼ100%発現後死滅するものや少なくとも2ケ月間生存するものあるいは感染が成立しないものがあった。また持続感染状態の細胞ではネコCD4の発現がほぼ100%消失した。 2.イヌヘルペスウイルス(FHVー1)をMYAー1細胞に感染させたところ,感染後細胞傷害が起こり,細胞内外のウイルスtiterは上昇した。これと同様の結果がConA刺激ネコ末梢血リンパ球やFLー74細胞でも見られた。また,蛍光抗体法により感染細胞にFHVー1抗原が認められた。これらのことからFHVー1は,Tリンパ球に感染し複製が行われることが示された。次いで,FIVTM1株とFHVー1C7301株をMYAー1細胞に感染させ,各抗原を二重染色間接蛍光抗体法で検出したところ,同一細胞にFIVとFHVー1の重複感染が認められ,電顕でもこれら2つのウイルス粒子が確認された。次にFHVー1がFHVの転写活性にどのような影響を及ぼすか調べるためにHIVLTRからの転写活性をCATアッセイで調べた。その結果,FHVー1は,FIVLTRを活性化することが明らかとなった。
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[Publications] Kawaguchi,Y.et al: "Sequences within the feline immunodeficiency virus long terminal repeat that control transcriptional activity and respond to activation by feline herpesvirus type 1." Virology. (1992)
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[Publications] Tokunaga,K.et al: "Altered cell tropism and cytopathicity of feline immunodeficiency viruses to two different feline CD4ーpositive,CDー8ーnegative cell line" J.Virol.(1992)