1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03404019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 實 東京大学, 医学部(医), 教授 (50009990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大室 弘美 東京大学, 医学部(医), 助手 (00124470)
飯野 正光 東京大学, 医学部(医), 講師 (50133939)
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Keywords | 興奮・収縮連関 / カルシウム / 骨格筋 / リアノジン / ドキソルビジン / 化学架橋 / 電気泳動法 |
Research Abstract |
本研究では、骨格筋の興奮収縮連関のうちT管-小胞体連関機構に目標を絞り、現在我々が使用できる方法を駆使してこの機構の分子機序の解明を目指した。本年度は、4量体として存在する微量のリアノジン受容体を未変性の状態で電気泳動を行い、蛋白質の修飾の様子あるいは関連蛋白質を発見できるかの試みを行った。リアノジン受容体蛋白質は、高分子量であること、および膜蛋白質であることため可溶化が難しいなどのことから、主に一次元のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動のみを用いて解析されてきたが、二次元電気泳動法により非変性状態でも解析が可能であることが明らかになり、リアノジン受容体蛋白質の修飾の有無も解析可能となった。また、リアノジン受容体は、分子量560kDaでこのホモテトラマーが筋小胞体のCa^<2+>放出チャネルを形成している。化学的に切断可能な架橋試薬を用い部分精製リアノジン受容体を架橋し、2、3、4量体の架橋産物を観察することが可能となった。テトラマーよりさらに大きな架橋産物は条件により観察されたが、この構成成分は現在解析中である。また、ドキソルビシンは、Ca^<2+>放出チャネルを促進するとともに、紫外光によってCa^<2+>放出チャネルと共有結合を作るので、これを用いて機能修飾部位を決定できると考えられる。ビオチン化ドキソルビシンを用いた系では、ドキソルビシンの結合部位はC末から200KDaのCa^<2+>放出チャネル部分を含むペプチドフラグメントに少なくとも一か所存在すると考えられた。一方、多くの生理学的実験はカエル骨格筋単一線維で行われているのに対し、生化学的な実験はウサギなどの哺乳類で行われてきた。本研究の目的を最終的に達成するためには、生理学的実験と生化学的実験の両方を行う必要がある。そこで、カエル骨格筋のcDNAライブラリーから、Ca^<2+>放出チャネルのcDNAをクローニングし構造を決行する試みを開始した。
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[Publications] Iino,M.et al.: "Enhancement of Ca^<2+>-induced Ca^<2+>release in calpain trested rabbit skinned muscle fibers" Biochemf.Biophys.Res.Commun.185. 713-718 (1992)
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[Publications] Kawana,Y.et al.: "Acceleration of calcium-induced calcium release in the biopsied muscle fibers from patients with malignat hyperthermia" Biomed.Res.13. 287-297 (1992)
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[Publications] 大室 弘美,飯野 正光,遠藤 實: "Analyses of the Ca release channel in the sarcoplasmic reticulum with electrophoretic methods" JaPan.J Pharmacol.58SuplI. 326 (1992)