1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03404027
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
魚住 光郎 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部・副所長兼公衆衛生部長 (50028495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前倉 俊治 近畿大学医学部, 第二病理学教室, 助手 (20221575)
東 恵美子 大阪府立公衆衛生研究所, 公害衛生室, 研究員 (60250338)
勝川 千尋 大阪府立公衆衛生研究所, 微生物課, 主任研究員 (20183725)
牧野 正直 大阪府立公衆衛生研究所, 微生物課, 微生物課長 (00116097)
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Keywords | 窒素酸化物曝露 / 気管洗浄液 / ビオチン化レクチン / コンAアガローズ |
Research Abstract |
動物実験と疫学調査に共通する生体影響指標を確立する目的で、本年度は窒素酸化物曝露ラットの気管洗浄液中の曝露特異的蛋白質の精製を試みた。 窒素酸化物曝露ラットの気管洗浄液中の蛋白質を一次元ゲル電気泳動および二次元ゲル電気泳動により分析し、窒素酸化物曝露にともなって増加する複数の蛋白質の存在を明らかにした。その中で分子量48キロダルトン、等電点約4.0の糖蛋白質に焦点を合わせてその精製を試みた。 1)目的蛋白質の等電点非常に酸性であったので、ロトフォー(調製用等電点電気泳動、バイオラド社製)を用いて等電点による分画を試みた。その結果、同様の等電点を持つ蛋白質のみならず、中性に近い等電点をもつ蛋白質も混入してきた。これは、中性付近の等電点を持つ蛋白質の種類と量どちらも窒素酸化物曝露特異的蛋白質に比べてけた違いに多いことによるものと判断できた。別の方法を考える必要があった。 2)二次元ゲル電気泳動の結果より目的蛋白質が糖蛋白質であることが予想されたので、このことを利用して精製を試みた。まずビオチン化レクチン8種類をプローブとしてウエスタンブロッティング法を行い、目的蛋白質に反応するレクチンの検討を行った。その結果、コンカナバリンA、インゲンマメレクチンE4、およびヒママメレクチンIが特異的に目的蛋白質に結合することが判明した。次にこれらの3種のレクチンのうちのコンカナバリンAをアガロースビーズに固定したものをカラムに充填し、これを用いて精製を試みた。予備実験として少量の窒素酸化物曝露ラット気管洗浄液をこのカラムに重層し、よく洗浄した後、0.2モルのメチルα-Dグルコシドにより溶出したところ、少量の蛋白質が溶出された。今回の実験は予備実験であり、溶出された蛋白質が目的蛋白質であるかどうかの確認はできなかった。今後は、スケールアップして同様な実験を行って溶出画分に目的蛋白質が含まれているか確認したい。
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Research Products
(1 results)