1991 Fiscal Year Annual Research Report
小児における特異的免疫能の成立とメモリ-T細胞の動態に関する研究
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03404034
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
谷口 昂 金沢大学, 医学部, 教授 (10019888)
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Keywords | メモリ-T細胞 / ナイ-プT細胞 / CD45抗原 / 伝染性単核症 / 骨髄移植 / Apoptosis |
Research Abstract |
我々は既に、正常者では末梢血におけるメモリ-形質をもつT細胞の比率は年令とともに上昇し、思春期以降はほぼ成人のレベル、すなわち、CD4ヘルパ-T細胞の40%内外、CD8^+T細胞の25ー30%内外に達することを明らかにした。さらに、CD4^+CD45RA^+のナイ-ブ形質をもつ細胞の3%程度がILー2レセプタ-α鎖を発現することを見いだし、このような細胞はCD45抗原フアミリ-をコ-ドするメッセ-ジの発現状態、リンホカイン産生能、B細胞の免疫グロブリン産生に及ぼすヘルパ-能などからみてメモリ-T細胞への移行期にある可能性を見いだした。 また、EBウイルス初感染による伝染性単核症ではCD8^+T細胞を主とするが、CD4^+T細胞にもメモリ-形質の誘導がみられ、急性期にはそれぞれ80%、60%前後に達するが、数週間後には年令相当の比率にまで低下することを見いだした。このようなメモリ-T細胞の消失のメカニズムを検討し、活性化されメモリ-形質を獲得したT細胞はin vitroでは極めて死滅し易く、その形態変化、DNA fragmentationなどのパタ-ンは、従来より胸腺細胞などで報告されているアポプト-シスに極めて類似することが明らかになった。EBウイルスによる伝染性単核症の急性期には、末梢血にもメモリ-形質をもつT細胞が過剰に誘導され、疾患の終息にともないその多くがアポプト-シスで死滅し、一部が永続的な免疫記憶細胞として選択されるように思われるが、その詳細は今後に残されている。麻疹などではメモリ-形質をもつT細胞の増加はそれほど明らかでなく、T細胞の動態は疾患によりかなり差があるらしい。 このようなT細胞におけるメモリ-形質の獲得とアポプト-シスの傾向は、骨髄移植後の末梢血CD4^+T細胞にも観察される。この現象はアロオ-トを問わずみられ、また、移植後の感染やGVHDの存在とは必ずしも関係しないようであり、より本質的な活性化機構の存在を推測させる。
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[Publications] K.Taga: "Preferential expression of ILー2 receptor subunits on memory population within CD4^+ and CD8^+ T cells." Immunology. 72. 15-19 (1991)
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[Publications] T.Miyawaki: "Expression of CD45RO(UCHL 1) by CD4^+ and CD8^+ T cells as asign of in vivo activation in infectious mononucleosis." Clinical Experimental Immunology. 83. 447-451 (1991)
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[Publications] H.Kanagane: "A novel subpopulation of CD45RA^+ CD4^+ T cells expressing ILー2 receptor alpha chain(CD25) and having a functionally transitional nature into memory cells." International Immunology. 3. 1349-1356 (1991)
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[Publications] Y.Ueno: "T cellーdependent production of IgG by human cord blood B cells in reconstituted SCID mice." Scandinavian Journal of Immunology.
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[Publications] A.Yachie: "Defective production of ILー6 in very small premature infants in response to bacterial pathogens." Infection and Immunity.
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[Publications] T.Uehara: "Apoptotic cell death of primed CD45RO^+ T lymphocytes in EpsteinーBarr virusーinduced infectious mononucleosis." Blood.