1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03404046
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
石井 清一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20001000)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小祝 聡一郎 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90045336)
|
Keywords | osteosarcoma |
Research Abstract |
1.ヒト胎児頭蓋骨由来の初期培養細胞にSV40を感染させて細胞株の樹立に成功した。ALP活性を有し、1,25(OH)_2D_3添加により培養上清にオステオカルシンを検出した。核型分析ではヒト由来であることを確認した。本細胞は骨芽細胞の形質をよく保っており、ヒト骨細胞の分化、増殖、およびヒト骨肉腫発生のメカニズムを調べる上で有用と思われた。 2.マウスの癌抑制遺伝子p53は、マウス骨芽細胞株MC3T3-E1の癌遺伝子によるトランスホーメーションを抑制し、同時に細胞の増殖も抑制した、一方、突然変異型p53は、トランスホーメーションを促進し、同時に細胞の増殖も促進した。一方、ヒトの癌抑制遺伝子p53は、ヒト骨肉腫由来細胞株HOSの増殖を抑制した。これはp53がPCNA(Proliferating Nucleic Antigen)の発現を抑制するためと考えられた、この一連の研究結果は、骨肉腫の増殖と癌抑制遺伝子p53との間には密接な関係があることを示唆していた。 3.ヒト骨肉腫細胞と細胞周囲に存在するマトリックス蛋白との相互作用を明らかにする目的で、マトリックス受容体であるintegrinβ_1familyの発現と、そのligandである細胞外マトリックス蛋白の分布を検索した。16例の骨肉腫の全例にフィブロネクチン受容体の発現を認め、間質のフィブロネクチンの分布と最も良く対応していた。一方、骨肉腫の浸潤部ではラミニン受容体の発現増強が認められた。骨肉腫の増殖と転移発現には、ラミニン受容体の発現が関与していることを示唆していた。 4.ヒトの骨中Ca結合蛋白(BGP)で作製した単クローン抗体を用いて、悪性骨腫瘍の免疫染色を行った。同時にオステオネクチンから得られた単クローン抗体による免疫染色を行い比較した。両者は骨肉腫に高率に発現し腫瘍性類骨の増加にともない染色性は増強した。骨肉腫の診断と同時に、分化度の把握に役立つことを示唆していた。
|
-
[Publications] Numata,S.et al.: "Modulation of Growth and Transformation of Murine MC3T3-E1 cell Line by Murine Wild-type and Mutant p53 Gemes" Tumor Res.26. 43-53 (1991)
-
[Publications] Nagoya,S.et al.: "Monoclonal antibody to a structure expressed on a subpopulation of rat CD8 T cell subsets" Microbiol.Immunol. 35. 895-911 (1991)
-
[Publications] Takada,J.et al.: "Usefulness of a Novel monoclonal antibody against human osteocalcin in immunohistochemical diagnosis." Virchows Archiv A.Pathol.Anat.420. 507-511 (1992)
-
[Publications] 千葉 英樹ほか: "ヒト正常骨・軟骨組織およびヒト骨・軟骨肉腫におけるBone Gla ProteinとOsteonctinの局在" 日本整形外科学会雑誌. 67. (1993)
-
[Publications] Chiba,H.et al.: "Establishment and Characterization of a Simian Virus40-Immortalized Osteoblastic Cell Line from Normal Human Bone" Jon.J.Res.84. (1993)
-
[Publications] Dawaguchi,S.et al: "Distribution of integrins and their matrix Iigands in osteogenic sarcoma" J.Orthop.Research. (1993)