1991 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴(NMR)による局所脳循環・代謝測定法の開発と実験モデルへの応用
Project/Area Number |
03404048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 健次郎 京都大学, 医学部, 教授 (20025620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 慎一 京都大学, 医学部, 助手 (10207714)
荒井 俊之 京都大学, 医学部, 講師 (80175950)
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Keywords | 酸素ー17核磁気共鳴 / 脳血流量 / 脳酸素消費量 |
Research Abstract |
酸素ー17核磁気共鳴(^<17>O NMR)による脳血流量ならびに脳酸素消費量の測定法を開発するとともに、^<17>O NMRの二次元画像化をも試みた。 1.脳血流量の測定:磁場強度2万ガウス(2テスラ)の動物実験用NMR装置内に留置したウサギに、その頚動脈より20%H_2^<17>O(水ー17)1mlを注入し、注入前後で4秒毎に連続100回、直径3.5cmの表面コイルを用いて、ウサギ頭部からの^<17>OのNMR信号を採取した。脳血流量は、採取した信号の減衰曲線より水ー17の脳内クリアランスを求め、算出した。結果は、0.62ml/min/gで、これまで報告されてきた値にほぼ一致し、^<17>ONMRによる脳血流量測定法の妥当性が示された。 2.脳酸素消費量の測定:脳血流量の測定の場合と同様の準備を行った後、人工呼吸器と閉鎖回路を用いて、酸素ー17ガスをウサギに5分間吸入させ、吸入前後で、脳血流量測定の場合と同様、ウサギ頭部からの^<17>ONMR信号(酸素ー17ガスが脳組織で代謝を受けて変化した水ー17の信号)を採取した。脳酸素消費量は、採取した信号の増加曲線より脳組織での増加分を求め、算出した。結果は、2.9micromole/min/gで、これまで報告されてきた値にほぼ一致し、^<17>O NMRによる脳酸素消費量測定法の妥当性が示された。 3.^<17>O NMRの二次元画像化:脳血流量の測定ならびに脳酸素消費量の測定の場合と同様の準備を行った後、ウサギに20%H_2^<17>O(水ー17)3mlを注入し、注入前後で化学シフトイメ-ジング法によるウサギ頭部の^<17>O NMRイメ-ジングを試みた。注入前後とも、約1時間かけて画像を採取した結果、注入前では不鮮明な頭部画像しか得られなかったが、注入後では鮮度を増した画像が得られた。
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Research Products
(1 results)