1992 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴(NMR)による局所脳循環・代謝測定法の開発と実験モデルへの応用
Project/Area Number |
03404048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 健次郎 京都大学, 医学部, 教授 (20025620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 幸一 京都大学, 医学部, 医員
中尾 慎一 京都大学, 医学部, 助手 (10207714)
荒井 俊之 京都大学, 医学部, 講師 (80175950)
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Keywords | 重水素核磁気共鳴 / リン核磁気共鳴 / 超高速NMR画像 / 脳血流分布 / 肝血流量 / 肝エネルギー代謝 / 化学シフトイメージング法 |
Research Abstract |
重水素核磁気共鳴( ^2H NMR)による脳梗塞モデルでの血流分布の評価、リン核磁気共鳴( ^<31>P NMR)と ^2H NMRによる人為的低血圧施行時の肝血流量の測定と肝エネルギー代謝の評価ならびに超高速NMR画像(EPI)による脳梗塞モデルでの薬物効果の判定を行った。 1. ^2H NMRによる脳梗塞モデルでの血流分布の評価:ウサギ脳梗塞モデル作成し、磁場強度2テスラの動物実験用NMR装置内に留置した。99.8% ^2H_2O(重水)10mlを静脈注入し、注入前後での脳内重水分布の変化を、化学シフトイメージング法(CSI)を用いて画像化し、評価した。結果は、健常部に比し梗塞部での重水の分布が著明に低下しており、この方法による局所脳血流量測定の可能性が示唆された。 2. ^<31>P NMRと ^2 NMRによる人為的低血圧施行時の肝血流量の測定と肝エネルギー代謝の評価:ウサギにプロスタグランディン(PG)またはニカルジピン(NC)を用いた人為的低血圧を施し、その間の肝血流量の変化を重水と ^2H NMRを用いて測定し、一方で肝エネルギー代謝の評価を ^<31>P NMRを用いて行った。結果は、PG、NCともに低血圧時の肝血流量の低下は見られたが、PGではNCと異なり、この間の肝エネルギー代謝の悪化は見られなかった。この方法は、脳エネルギー代謝の評価にも応用可能と考えられた。 3.EPIによる脳梗塞モデルでの薬物効果の判定:ラット中大脳動脈閉塞モデルを作成し、梗塞発生より4日目に実験を行った。ラットを動物実験用NMR装置内に留置し、PGまたはplacebo投与前後でEPIによる頭部撮影を行い、薬物効果を判定した。結果は、PG投与により梗塞部での血流低下が著明に改善し、PGが梗塞巣の血流改善に有効であることが分かった。この方法は、臨床応用も可能と考えられた。
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Research Products
(1 results)