1993 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴(NMR)による局所脳循環・代謝測定法の開発と実験モデルへの応用
Project/Area Number |
03404048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 健次郎 京都大学, 医学部, 教授 (20025620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 慎一 京都大学, 医学部, 助手 (10207714)
荒井 俊之 京都大学, 医学部, 助教授 (80175950)
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Keywords | 重水素核磁気共鳴 / 酸素-17核磁場共鳴 / 化学シフトイメージング / 局所脳血流量 / 局所脳酸素消費量 / 重水 / 酸素-17ガス / ウサギ |
Research Abstract |
重水(^2H_2O)ならびに酸素-17ガス(^<17>O_2)をトレーサーとして用いた化学シフトイメージング(Chemical Shift Imaging,CSI)法による局所脳血流量(local Cerebral Blood Flow,lCBF)ならびに局所脳酸素消費量(local Cerebral Metabolic Rate of Oxygen,lCMRO_2)の測定 1.重水素(^2H)CSI法によるlCBFの測定:ウサギに動静脈カニュレーションを施し、磁場強度2テスラの動物実験用核磁気共鳴(NMR)画像診断装置内に留置した。まず、^2H CSI法にて約2分をかけてウサギ頭部の重水素画像を撮影した。次に、99.8%重水5mlを約40秒かけて静脈注入し、注入開始とともに再び^2H CSI法にて約2分かけて頭部画像を撮影すると同時に、この間10秒毎に12回動脈血を採血した。採血した動脈血サンプルは、画像診断装置とは別の高分解能NMR装置を用いて、その中に含まれる重水濃度を測定した。重水注入による頭部画像の信号強度の変化と、重水注入中の動脈血重水濃度の変化からオートラジオグラフィー法にてlCBFを算出した。この方法により求めたlCBFは、過換気、低換気等によるlCBFの変化を良く反映した。 2.酸素-17(^<17>O)CSI法によるlCMRO_2の測定:まず、上記の方法にて予めlCBFを算出したウサギを用い、約20分かけて頭部の酸素-17画像を撮影した。次に、45%酸素-17ガスを約20分吸入させ、吸入開始とともに再び^<17>O CSI法にて約20分かけて頭部画像を撮影すると同時に、この間1分毎に20回動脈血を採血した。採血した動脈血サンプルは、再び高分解能NMR装置を用いて、その中に含まれる水-17濃度を測定した。酸素-17ガス吸入による頭部画像の信号強度の変化と、酸素17ガス吸入中の動脈血水-17濃度の変化ならびに予め^2H CSIにて求めたlCBFから合成積分法にてlCMRO_2を算出した。この方法により求めたlCMRO_2の妥当性は今後検討していく予定である。
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