1992 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎における免疫制御機構(歯周炎の病因に関与するT細胞の自己認識能の検討)
Project/Area Number |
03404056
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 宏 大阪大学, 歯学部, 教授 (40038865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島袋 善夫 大阪大学, 歯学部, 助手 (50231361)
伊藤 博夫 大阪大学, 歯学部, 助手 (40213079)
村上 伸也 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70239490)
島内 英俊 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70187425)
三木 靖夫 大阪大学, 歯学部, 助教授 (80165993)
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Keywords | 歯周疾患 / T細胞 / 自己リンパ球混合培養反応 / CD45R / T細胞クローン / 歯肉線維芽細胞 / 細胞接着分子 / インテグリン |
Research Abstract |
今回の研究は、T細胞の歯周炎における免疫制御機構を解析することにより、歯周疾患の病態を解明することを目的とし、以下の結果を得た。1.歯周炎患者におけるT細胞サブセットの解析;自己リンパ球混合培養反応(AMLR)低下歯周炎患者の末梢血T細胞サブセットを解析したところ、自己HLA-DRに反応すると考えられているCD4陽性CD45RA陽性のT細胞が減少していることが示された。また記憶T細胞のマーカーとして知られているCD45RO分子の発現を解析しCD4陽性CD45RA陽性細胞と比較したところ、末梢血T細胞に比較し歯肉由来のT細胞においてCD45RO陽性T細胞の比率が上昇していることを示唆するデーターを得た。2.歯周病原菌特異的T細胞クローンの樹立およびその機能解析;歯周病原性細菌抗原に特異的なT細胞クローンの樹立を、マウスおよびヒト末梢血より行った。歯周病原性細菌抗原としてPorphyromonasgingivalis381(Pg)全菌体を用いた。マウスT細胞クローンの樹立は、Pg1X10^8個をFIAと共にBALB/cマウスの皮下に免疫し、その脾臓およびリンパ節細胞よりPg特異的T細胞を5クローンを得た。また、ヒト末梢血より同一抗原を用いてPg抗原に応答し増殖を示す1クローンが樹立された。現在までに得られたクローンについては、その表面抗原解析を進めている。さらに、歯肉抽出細胞からもクローンの樹立を試みている。3.T細胞の歯肉線維芽細胞(HGF)への接着機構の解析;T細胞とHGFの細胞間接着機構の解析を分子レベルで行った。我々の樹立した単クローン抗体4-145は、活性化T細胞とHGFとの細胞間接着を阻害し、本年度の研究により4-145はインテグリンβ1分子を認識することが明かとなった。また他の単クローン抗体を用いた接着阻害実験よりインテグリンβ1ファミリーのVLA-4がこの細胞間接着において特に重要な役割を果たしていることが明かにされた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sigenobu Kimura et al.: "Impaired autologous mixed-lymphocyte reaction of peripheral blood lymphocytes in adult periodontitis" Infection and lnnunity. 59. 4363-4370 (1991)
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[Publications] Hirosi Okada: "Phenotypic and functonal characterization of peripheral blood T cells in adult periodontitis" Jornal of Periodontol Reseach. 26. 289-292 (1991)
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[Publications] 佐保 輝之: "歯肉線維芽細胞への接着を阻害する単クローン抗体の作製" 炎症.
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[Publications] S.MURAKAMI: "EvidenceforaroleofVLAintegrinsinlymphocyte-humangingivalfibroblastadherence" JournalofPeriodontalResearch.