1991 Fiscal Year Annual Research Report
不正咬合者における身体の平衡調節機能と咀嚼筋及び頚部の筋の活動との関係について
Project/Area Number |
03404060
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高田 健治 大阪大学, 歯学部, 助教授 (50127247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平木 建史 大阪大学, 歯学部, 助手 (30238349)
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Keywords | 平衡調節機能 / 不正咬合 |
Research Abstract |
臼歯部の咬合接触関係が著しく不良な者として、右側下顎頭骨折の既往のある患者1名および下顎前突の外科症例患者2名に対してイクイテスト(ダイナミック平衡機能測定装置、ニュ-ロコム社製)を用いて、平衡調節機能の定量的な測定を行った。測定は、感覚協調機能テストとして(1)開眼・「起立台」固定・「前景」固定(2)閉眼・「起立台」固定・「前景」固定(3)開眼・「起立台」固定・「前景」傾斜(4)開眼・「起立台」傾斜・「前景」固定(5)閉眼・「起立台」傾斜・「前景」固定(6)開眼・「起立台」傾斜の6条件で行い、イクイテスト独自の定量的な平衡度を求めた。コントロ-ル群として、20〜59歳(N=112)のデ-タを用いて比較検討した結果、上記のいずれの症例でも「起立台」固定時には開眼、閉眼ともにコントロ-ル群と同様の値を示した。ところが、下顎頭骨折の既往のある症例では「起立台」を傾斜させた閉眼時と「起立台」および「前景」を傾斜させた開眼時について、コントロ-ル群よりも明らかに低い値を示し、下顎前突の外科症例では「起立台」および「前景」を傾斜させた開眼時について、コントロ-ル群よりも低い値を示した。また平衡調節のためにどのような動作を使っているかというストラテジ(動作傾向)チャ-トにおいても、よりバランスを失った状態で生じる腰ストラテジを足首ストラテジよりも多く使っていることが認められた。これらのことから、咬合関係が著しく不良な者は、静的な平衡調節機能より動的な平衡調節機能が劣っていることが示唆された。
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