1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03404068
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
早川 純一郎 金沢大学, 医学部, 助教授 (50110622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 靖人 金沢大学, 薬学部, 教務職員 (20232275)
赤尾 信明 金沢大学, 医学部, 講師 (00126559)
大野 真介 金沢大学, がん研究所, 助教授 (70019868)
二階堂 修 金沢大学, 薬学部, 教授 (60019669)
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Keywords | マウス / nude / xid / beige / NK細胞 / scid / 免疫不全 / 紫外線 |
Research Abstract |
複数突然変異をもつKSN(nude)ーbg,KSNーxidの繁殖効率について検討を行ったが,世代数を経過しても特に効率が低下する傾向は認められず,とくにKSNーxidでは極めて良好な繁殖効率を維持していた。ただし,tripleーmutantについては期待値ほどの出現率で生まれてきていない。突然変異遺伝子を三重もつことによる生存力の低下が起きているかどうか,今後検討する必要がある。scid マウスにのnude遺伝子,beige遺伝子の導入は順調に進行している。これらの遺伝子をもつ個体の同定方法として,beige遺伝子については腹水の肥満細胞の顆粒から判定する方法,xid,scidについてはそれぞれlgG3,lgMの抗血清を用いてELISAにより,血清中のグロブリン量から判定する方法を確立した。 これら複数の突然変異をもつマウスの特性としてはbeige遺伝子をもつnudeマウスでは紫外線の頻回照射後の発癌頻度はnudeマウスと差がないにもかかわらず癌性肉腫の発生(移行)が明らかに高い結果を得た。移植細胞の動態を核型分析から検索する方法についてはscidマウスに同系のBALB/cに生じたRobertosonian型の転座をもつ細胞を移植して形質細胞腫を発生させ,それがどちらの細胞に由来するかをみる実験と連動させて行い,核型分析からの検出できることを示した。また,transgenicマウスに発生し,hostマウスに移植できない形質細胞腫がnudeーbeigeマウスに活着することを確かめた。ヒト蛔虫卵の感染実験も試みたが,nudeマウスとnudーbeigeマウスで感染性に明瞭な差は認められなかった。当初に予定していたリンパ系細胞の膜表面マ-カ-による分類の比較はセルソタ-の操作などに問題があり全く行っていない。来年度はtriplemutantマウスの育成とともに,リンパ系細胞集団の構成など,これら複数突然変異遺伝子をもつマウスの特性を明らかにして行く予定である。
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Research Products
(1 results)