1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03404071
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大村 恒雄 九州大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80029933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 雅郎 九州大学, 大学院医学系研究科, 助手 (30205736)
諸橋 憲一郎 九州大学, 大学院医学系研究科, 助手 (30183114)
三原 勝芳 九州大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (40029963)
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Keywords | 膜蛋白質 / 生体膜 / 膜内トポロジー / 膜形成 |
Research Abstract |
小胞体膜への蛋白質分子の組み込み機構については、リボソームでの翻訳と共役して進行する蛋白質の膜透過と膜への組み込みを支配するアミノ酸配列を検討するとともに、ミクロソーム膜を可溶化し蛋白質膜透過機能をもつ膜小胞の再構成を検討した。また、膜透過中のペプチドと小胞体膜蛋白質を架橋し、蛋白質膜透過機構を構成する膜成分の検出を試みた。その結果、下記の結果を得た。 1.蛋白質分子のアミノ末端に存在して分子の膜への組み込みを開始するシグナル配列およびシグナルアンカー配列については、配列の機能に必要な構造要求性を確かめた。さらに、膜透過停止配列によって膜透過を停止したペプチドの膜透過を再開させる分子内部のアミノ酸配列についても検討し、この機能に必要な構造を確かめた。 2.イヌ膵臓の粗面ミクロソームを可溶化し、透析により界面活性剤を除去して蛋白質膜透過能をもつ膜小胞を再構成する条件を確立した。 3.リボソームでの生合成と共役した小胞体膜透過を特定の位置で停止するペプチドを利用して、化学架橋試薬による架橋反応で2種の膜蛋白質が透過中のペプチドと架橋されることを確認した。 ミトコンドリアについては、外膜への蛋白質の組み込み機構の解析を進めるとともに、前駆体蛋白質のミトコンドリア認識と膜透過に関与する細胞質因子の研究を行なった。その結果、下記の結果を得た。 1.副腎皮質ミトコンドリアの外膜を界面活性剤で可溶化し、透析により界面活性剤を除去してポリンなど外膜蛋白質の組み込み能を持つ膜小胞を再構成する条件を確立した。 2.細胞質因子が前駆体蛋白質の存在下でATPアーゼ活性をもつことを確かめ、この活性が前駆体のミトコンドリア認識シグナルに依存することを確認した。
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[Publications] Jun Iwahashi: "Characterization of Adrenodoxin Precursor Expressed in Escherichia coli." J. Biochem.111. 451-455 (1992)
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[Publications] Masao Sakaguchi: "Frunctions of Signal and Signal-Anchor Sequences Are Determined by the Balance between the Hydrophobic Segment and the N-terminal Charge." Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 89. 16-19 (1992)
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[Publications] Nasao Sakaguchi: "Mitochondrial Porin Can Be Traslocated across Both Endoplasmic Reticulum and Mitochondrial Membranes." J. Biochem.112. 243-248 (1992)
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[Publications] Kazuya Murakami: "An Isozyme of Microsomal Carboxyesterases, Carboxyesterase Sec, Is Seccreted from Rat Liver into the Blood." J. Biochem.113. 61-66 (1993)