1992 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの読みの習得過程についての発達的・実験的研究
Project/Area Number |
03451020
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Research Institution | CHUO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
天野 清 中央大学, 文学部, 教授 (00000414)
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Keywords | 子どもの読みの習得 / かな文字の読みの習得 / 音節分析 / 内言 / 順序性 / 語、文の読み方の構造 |
Research Abstract |
(1)幼児の読み(reading)能力の等の発達について構造分析・縦断的実験調査:昨年度に引き続き、都内の2幼稚園の年中クラス児34名(調査開始時年齢範囲3:4〜4:2)を対象に、かな文字の読み、読みの習得の準備性、言語能力に関わる諸検査を、以下の3回(通算6回)にわたって個別検査の方法で実施し、その発達を追跡的に調べた。 第4回(平成4年6〜7月):(1)かな文字の読み、(2)音節抽出、(3)単語と文の読み、(4)内言機能、(5)記憶 第5回(平成4年10月〜11月):上記の(1)〜(3)のテスト 第6回(平成5年2〜3月):上記の(1)〜(3)の他に、(4)かな文字の書き、(5)文字知覚、(6)読解能力テスト その結果、以下のことが明らかにされた。(1)幼児のかな文字習得は、早い子は3歳後半期から、多くは4歳前半期から習得し始め、加速化の傾向が認められるが、その過程に顕著な個人差がある。(2)順序性の理解、音節分析の発達は、かな文字の読みの習得に先行して進む。(3)内言の発達は、音節抽出の発達に先行もしくは同時に進む。 (2)語、文の読み方の構造と発達過程についての実験的分析:ラップ型パソコンにADコンバーターとその解析ソフトを含めた実験装置で、上記の幼児のうちの約10名について、平成4年12月-平成5年3月の間に、各2回にわたって、5音節語を含む20語について、語の読みに関する実験を行い、特にその読み過程における下唇の動き、発声の様子等を測定した。その結果、拾い読みから、単語読みに至る過程、構造の変化とその諸特徴が明らかになった。 (3)研究成果報告書:B5判 300部を作成・公刊した。
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