1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03451024
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
関 孝敏 北海道大学, 文学部, 助教授 (30105647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 昭英 北海道大学, 文学部, 助手 (30213119)
都築 一治 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (20180028)
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Keywords | 社会変動 / 都市的機能 / 田舎町 / 社会構造 / 財政力指数 / 人口移動 / 産業構造 / 商業的機能 |
Research Abstract |
本年度において解明されたのは、以下の諸点である。(1)道内の田舎町を行政上の「町(マチ)」として把握した時、田舎町の社会構造として経済構造(産業)、人口構造、生態学的構造、そして権力構造という4側面が主要な要素であること。(2)田舎町の機能として、住民にとっての第一次的な欲求充足の機能、とりわけ小売業を中心とした商業的機能が重要であること。(3)田舎町の社会変動の主要な側面として人口移動に伴う学齢期人口と生産年齢人口の減少,商店(小売店)の減少に伴う田舎町の商業的機能の衰退,財政力指数の低下の3点を指摘しうる。(4)道内156町を単純に「田舎町」として一括しうることはむつかしく,人口規模からすると大規模(人口1万5千人以上),中規模(1万5千人未満〜5千人以上)、小規模(5千人未満)に分類すれば、大・中の規模の「町」は地方小都市として、そして小規模の「町」を文字通り「田舎町」として概念化しうる。 以上は計量的に把握しうるものであるが、道内自治体(「町」)に関する個別の資料収集と聞きとりにより、本申請の研究課題をいっそう深化させるためには、少なくとも次の3点の課題が明らかにされなければならない。(1)田舎町の商業的機能とその変化の解明には、自営業家族の構造と機能を明らかにする必要がある。(2)田舎町の都市的機能に関連して、地域住民レベルの欲求充足が、買物・通勤・通学・医療・余暇と娯楽の各位相を通じて明らかにされる必要がある。(3)田舎町間の相互関係パタ-ン一競合的関係、依存的関係、協同的関係、支配的関係、従属的関係のいずれの関係であるかーを明らかにする必要がある。
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