1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03451024
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
関 孝敏 北海道大学, 文学部, 助教授 (30105647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 一治 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (20180028)
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Keywords | 社会構造 / 社会変動 / 田舎町 / 都市的機能 / サーヴィス機能 / 財政構造 / 財政機能 / 商業的機能 |
Research Abstract |
本年次は、3ヶ年継続研究の中間年次にあたる。初年度はデータ入力を行ったが、本年度は単純集計をしつつデータクリーニングを行なうこと、加えて以下の具体的な課題設定にもとづき第一次分析を試みた。「田舎町の社会構造とその変動」を構造的側面と機能的側面とに分けて接近するために、〔1〕構造的分析として(1)人口構造、(2)産業構造、(3)財政構造を主要な課題とした。〔2〕機能的分析として(1)経済的機能、(2)サービス的機能、(3)財政的機能が主要な分析課題であった。データクリーニングは、マクロデータの入力とあって予想した以上に時間がかかった。そのため細い分析の段階に至っていないが、次のような興味深い点が明らかになった。 (1)高度経済成長期の前期(S30〜S45)と後期(S45〜S60)とでは、前者の変動は後者に比ベてあらゆる点において劇的に大きい。 (2)財政構造と財政機能にかんして、高度経済成長期の前期において、全歳入中に占める税収入の比率は激減しているのに対して、地方交付税の占める比率は、増大している。3割自治すら確保できない自治体が少なくないことが明らかになった。 (3)「町(田舎町)」の都市的機能は、いわゆる小売業、サービス業を中心とした機能が中心的であることが明らかになった。これは高度経済成長期の前期と後期の両期についていえる。 (4)サーヴィス機能のうちでも、不動産業にかかわるサーヴィスが大規模な「(田舎町)町」と市において圧倒的に多く、中小規模の「(田舎町)町」では大変少ないことが明らかになった。 現時点において申請テーマにかんする所期の課題解明のために、なおいくつかの基礎的データの収集とデータ入力とが必要であることが明らかになった。たとえば農業集落調査、農家経済調査、勤労世帯収入調査にかんする資料の活用である。
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