1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03451033
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
山本 鎭雄 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (40084123)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野崎 昭夫 中央大学, 文学部, 教授 (90055062)
|
Keywords | 新明社会学 / 社会学史 / 社会学(者)の社会学 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、「新明社会学研究会」(中央大学・田野崎昭夫、日本女子大学・山本鎭雄)の活動を継続し、研究方法の検討と研究資料の収集を行なった。『新明社会学研究』(第2号)を刊行することによって、新明社会学研究の課題を深化した。 新明社会学は一般に理論体系としての「総合社会学」としてとらえられているが、それ以上に、理論社会学と実証社会学、さらに実践社会学として、言いかえれば、理論と調査と政策を総合した社会学としてとらえられるべきである(田野崎昭夫、「シェフィールドで新明社会学を考える」)。 新明正道が生きた時代を特徴的に言えば、大正デモクラシーが高揚する東大新人会の時代、昭和恐慌のもとでファシズムが台頭する時代、戦中・戦後の激動する時代である。彼はそれぞれの時代と社会の誠実にかかわりながら、社会学の理論と思想を構築した。そのことを実証的に研究するのが「新明社会学の同時代史的研究」である。そのためにも、彼の社会学に関連したすべての著作のみならず、社会的文化的な評論、論説、随筆、未公開の日記などの収集もまた重要である。 『新明社会学研究』(第2号)には、未公開のドイツ留学中の「伯林日記」(1929年6月〜10月)と中国訪問記(1940年11月)を収録した。戦中・戦後初期の『社会学辞典』(新明正道編)と社会学研究所の開設にかんして、門下生の貴重な証言を収録するとともに、新明社会学の同時代史研究の一端として論考(山本鎭雄、「ベルリンはなおワイマール文化の真盛り」)を掲載した。また東北大学付属図書館および甲南女子大学「新明文庫」などで収集した著書・論文を中心に著作目録を作成し、掲載した。
|
-
[Publications] 田野崎 昭夫: "シェフィールドで新明社会学を考える" 新明社会学研究. 2. 10-12 (1992)
-
[Publications] 山本 鎭雄: "ベルリンはなおワイマール文化の真盛り" 新明社会学研究. 2. 108-116 (1992)
-
[Publications] 田野崎 昭夫・山本 鎭雄: "新明社会学研究(第2号)" 新明社会学研究会, 127 (1992)