1992 Fiscal Year Annual Research Report
教員養成教育における発声・発話等、音声技能の教授・学習システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
03451037
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
伊藤 勝志 北海道教育大学, 教育学部函館分校, 教授 (70002558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 正吉 北海道教育大学, 教育学部函館分校, 助教授 (80107242)
上谷 宣正 北海道教育大学, 教育学部函館分校, 助教授 (20113657)
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Keywords | 発声訓練 / ピッチ周波数 / 周波数平均変動率 / 倍音 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、フォノラリンゴグラフ(SH-01)をはじめ既存の関連機器をも駆使することで、音声の色々な特徴に関する情報を分析し、音声技能の教授方法を開発する可能性について検討することである。この目的を達成するために本年度実施したことは以下の点である。 1.新たに導入した機器及び関連する諸機器の操作に習熟すること。 2.発声訓練の経験者と未経験者を対象に音声データを収集すること。 3.SH-01の分析結果と高速度グラフィックレコーダーやビデオプリンターなどの出力結果との関連を確かめ、より確実な資料を得ること。 1.SH-01によるピッチ周波数の検出に際し、ピッチよりもエネルギーの強い倍音周波数を拾ってしまう場合のあることは既に確認しているが、器械のこのような特性は特に周波数平均変動率を測定しようとする場合に致命的な欠点となることが分った。倍音周波数がピッチ周波数よりも強くなるのは個人の特徴なのか、特定の周波数領域に共通することなのか等々の確認については次年度の課題である。 2.に関しては、本分校の音楽科学制とそれ以外の学生を対象に資料を収集した。しかし、発声の特続時間のみについてであるが、訓練を経たことによる明確な効果は認められない。なお、発声効率及び周波数平均変動等に関しての学習効果については末確認である。 3.機器相互間でのデータのやりとりは、入出力のレベル設定等まだ十分習熟していない面もあるけれど、今後順調に作動させることが出来るものと思われる。 なお、昨年は思わぬ入院から研究が中断したため、幾分の遅れが生じた点は残念である。
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[Publications] 伊藤 勝志: "発声・発話学習に関する基礎的研究Vーー肺活量と発声の特続時間との関連ーー" 人文論究. 第56号. (1993)
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[Publications] 伊藤 勝志: "発声・発話学習に関する基礎的研究VIーー声楽訓練者と非訓練者とのいくつかの相違点ーー" 北海道教育大学研究紀要第一部C. 43. (1993)
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[Publications] 伊藤 勝志: "発声・発話学習に関する基礎的研究VIIーー発声の持続時間と周波数変動率との関連ーー" 人文論究. 第57号. (1994)