1992 Fiscal Year Annual Research Report
障害児の母親のための母性確立及び母親支援教育プログラム開発に関する研究
Project/Area Number |
03451038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村井 憲男 東北大学, 教育学部, 教授 (90004829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 智昭 宮城学院女子短期大学, 助教授 (30184188)
高林 俊文 東北大学, 医療短期大学部, 教授 (30124598)
菅井 邦明 東北大学, 教育学部, 助教授 (60000288)
新谷 守 東北大学, 教育学部, 助教授 (90004126)
仁平 義明 東北大学, 教養部, 教授 (10007833)
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Keywords | 母性形成 / 母親支援 / 母性段階質問紙 / 障害児 / コミュニケーション / 障害の受容 |
Research Abstract |
平成4年度においては、母親支援教育プログラムを作成するための基礎資料である、障害児の母親の心理反応過程の実態や対処行動の分析が主として行なわれた。本年度の研究の進展状況とそこでの知見の主たるものを、以下に要約する。 (1)昨年度の文献的な研究から、母性発達段階の評価尺度、ならびに障害児をもつ母親の現在の適応状態の評価尺度について、新たに作成する必要性が明らかとなった。そのため、障害児をもつ母親との面接調査を行い、尺度作成のための基礎資料を得た。 また、思春期以降の女子を対象とした母性の発達段階評価尺度については、主として女子高校生を対象に、その適用研究を行なった(村井、高林、高橋、早坂)。 (2)障害児の母親の母性を測定する尺度を作成するために、従来の母性尺度の比較検討を行うとともに、新たな母性尺度を構成してきた(仁平)。 (3)障害児母子通園施設での資料の収集は、一応その結果の分析が可能な程度に達した。これまでの分析から、母子間の円滑なコミュニケーション成立の条件を抽出し、母親支援プログラムの作成に取りかかった(菅井、坂本)。 (4)昨年度に続いて、重複障害児2名とその母親について、母子の相互作用について追跡してきた。その結果、母親の子どもに対する認知的・情動的枠組みの変容をとらえることができた(新谷、吉武)。 (5)口唇・口蓋裂児の母親の不安内容の分析から、母親が知覚する子どもの問題には、健常児の親と同類のものと、障害に起因するものの2種類があることが明かとなった(足立)。
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[Publications] 足立 智昭・幸地 省子: "口唇・口蓋裂児の母親の心理的適応に関するー考察" 小児保健研究. 51. 744-748 (1992)
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[Publications] 菅井 邦明: "聴覚ー口語法指導による聴覚障害児の言語行動の諸相ー学習のつまずきと指導の観点" 東北大学教育学部研究年報. 39. 77-89 (1991)
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[Publications] 坂本 幸: "読唇における文処理モデルー実験および学習過程観察による〔試案1〕の検討" 東北大学教育学部研究年報. 41. (1993)
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[Publications] 高橋清子,早坂祥子.大槻静子他: "会陰保護法(側面介助法と正面介助法)の比較 ー介助者の姿勢と手の使い方を中心にー" 東北大学医療技術短期大学部紀要. 2. 51-56 (1993)
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[Publications] 早坂祥子・大槻静子.高橋清子他: "分娩介助における学生の習得状況 ー分娩介助実習評価表からー" 東北大学医療技術短期大学部紀要. 1. 68-75 (1992)
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[Publications] 新谷守(分担執筆) 福祉士養成講座編集委員会編: "老人・障害者の心理" 中央法規, 292 (1991)