1992 Fiscal Year Annual Research Report
近代における「交通」の変遷と文学・言語世界の相関についての研究
Project/Area Number |
03451067
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 隆夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (40023618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯沢 英彦 東京工業大学, 工学部, 講師 (90230622)
菅原 克也 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30171135)
浦 雅春 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20193956)
井上 健 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30121867)
市川 伸二 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20176283)
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Keywords | 交通 / 近代文学 / 都市 / 交通機関の発達 / 空間的移動 / 社会的移動 |
Research Abstract |
本年度の研究は(1)前年度に行われた資料収集の不備を補うこと、(2)前年度及び今年度の収集した資料を整理、検討すること、(3)各研究分担者の問題意識に応じて研究テーマを絞りこむこと、(4)各研究分担者の研究に共同研究としてのまとまりと広がりをもたせること、(5)それぞれの研究成果を論文の形にまとめること、の五段階にわたった。 そのなかで、まず本共同研究のテーマである「交通」の概念は、ドイツ語のVerkehrという語の持つ「交通、交流、交際、通商、通信」といった多面的な意味を担うものであることが、改めて確認された。したがって、本研究は文学作品に描かれた交通機関とそのテクスト構造的な意味といったレベルにはじまって、作品のなかの異質な要素が互いに交流する具体的な場の問題や、人間相互が他者として向きあう空間においてその感情や意志が、いかに伝わりまた伝わらないのか、あるいは他者という存在がいかなる表象を通じて社会に伝えられるかといった問題、さらには広くテクストそのものが、同時代のある文化圏内にいかにして流通せしめられたか、また時代を超えたテクストの受容がいかなる文化現象を生ぜしめたかといった問題にいたる、きわめて多層的、重層的な問題意識を含みこむものとなった。その具体的成果は「研究成果報告書」に見られる通りである。 したがって、本共同研究が当初の目標とした、文学・言語世界を文化現象一般の中に位置づけるという試みは、ほぼ所期の成果を達成したといえる。もう一つの大きな目標であった、世界大の規模で文学・言語世界を考察するという作業は、研究分担者の専門領域が、欧米と日本とに限られていたことと、時間的、予算的な制約があったために、なかなか思いどおりの成果があがらなかった。これは、本共同研究の反省点であるが、同時に今後の研究にとって有益な問題意識を浮び上がらせた。
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[Publications] 山口 隆夫: "『小学読本』の理想的人間像" 東京工業大学人文論叢. 18. 219-231 (1993)
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[Publications] 菅原 克也: "北米ハイクの新しい傾向" ポリフォニア2(1993年3月).
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[Publications] 菅原 克也: "Form and Matfer in Japanese Translation of Symbolist Poetry" Translation and Modernization(予定).
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[Publications] 中島 由美: "コチョ・ラツィンー「白い夜明け」" ポリフォニア2(1993年3月).
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[Publications] 井上 健: "ジョン・タリスの世界地図ー19世紀の世界" 同朋舎出版, 180 (1992)