1991 Fiscal Year Annual Research Report
日本文化に関する学際的研究における文化位相学の開発ー方法的有効性の検証と基礎理論の形成
Project/Area Number |
03451069
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
中西 進 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (90054460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 正博 国際日本文化研究センター, 研究部, 助手 (80192780)
早川 聞多 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (10208605)
柏岡 冨英 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (40142591)
鈴木 貞美 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (60179207)
山折 哲雄 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40102686)
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Keywords | 文化位相 / 見立て / トポス / 総合雑誌 |
Research Abstract |
1)位相理論とその応用の有効性の検討 本年度は、有効性の確認のための作業として、「はじまり」「はな」「見立て」などをあげて、見通せる成果の検討作業を行った。「はじまり」の検討においては、連続する現象のどこに「はじまり」を設定するかを決定する概念が、むしろ位相を設定する概念にあたるという関係が浮上した。「はな」は、概念のひろがりが大きく、研究の集約のかたちが見いだせなかった。「見立て」については、個別領域の研究をまとめる新たな視角の設定という点で有効性が確認され、各分野への持ち込みとその成果の集約を次年度に行い単行本として出版することに決定した。 2)フィ-ルドワ-ク 本年度は準備期間の熊野との対比のために、諏訪・甲府周辺の縄文遺跡の踏査を行った。地理的気候的条件、歴史的条件などを比較検討し、トポス(場所)としての位相の論議を深めた。 3)展開 こうした論議の中で「フィ-ルド」を文献の世界に求める可能性が探られ、ある特定期間の文化現象全般をひとつの位相から観察する装置として、近代日本において、世論形成と世論の集約の場として大きな役割を果たした「総合雑誌」に着目する視点が出された。 4)個別研究の反映 文化位相の方法を、個別研究に意識的に反映する方向をとったものとして、別記の三論文があげられる。
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[Publications] MORIOKA Masatoshi: "“The Concept of Inochi" A philosophical Perspective on the Study of Life" 『JAPAN REVIEW』. No.2. 83-115 (1991)
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[Publications] 鈴木 貞美: "「モダン・ガ-ル、そして小説の中の彼女たち」" 山折哲雄編『日本の女性』. 152-188 (1992)
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[Publications] 鈴木 貞美: "「都市大衆社会と“私"ー自己像幻視の位相学」" 鈴木貞美著『モダン都市の表現ー自己・幻想・女性』. (1992)