1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03451086
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東樋口 護 京都大学, 工学部, 助教授 (50026366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 光雄 京都大学, 工学部, 助教授 (30127097)
秋山 哲一 京都大学, 工学部, 助手 (30111917)
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Keywords | 建築企画 / 意思決定支援システム / 企画情報 / 企画プロセス / 人工知能 |
Research Abstract |
(1)建築企画は、建築の設計に先立ち、建築・事業経営等の諸情報から建築計画の諸条件の情報を生み出す情報変換のプロセスである。このような視点から建築企画プロセスの詳細な実態調査を行い、次にような結果を得た。(1)企画プロセスで新たに入手すべき情報(入手情報)、企画プロセスで生成する各段階でのプロジェクト情報(プロジェクト情報)、企画者・組織に蓄積された知識情報(知識情報)の3種類に大別できること、(2)入手情報は、敷地、立地環境、事業環境、費用、設計者・施工者・テナントなどの関係主体の情報からなり、一般化・形式化したものと調査結果などから成っていること、(3)プロジェクト情報は、最終的な企画案に至るまでの中間アウトプットであり、プロジェクトのプログラミング、開発方針、事業経営、空間、技術などの内容に分類できること、(4)知識情報は、個人・組織に蓄積された情報で、必要に応じて引き出されるものだが、直感的な処理に関わるものから論理的なものまで様々なものを含むこと、また、企画プロセスの観察から引き出しにくいこと、(5)これらの諸情報と、それらが企画者・建築主・設計者等の主体間でやり取りされ企画がまとめられるプロセスの分析を行った。 (2)意思決定支援システム構築の為に、複雑な企画プロセスを一度単純化したモデルとして捉える必要がある。ここでは、企画者の経験に依存する判断の部分の内から「土地が決定している場合のその有効利用の為の建築種の範囲の一次的想定」を取り上げ、専門家の知識と経験に基づく判断を、エキスパ-トシステムに置き換えるモデル検討を行った。また、数理的アプロ-チの可能な部分として、採算計算プログラムを検討し、エキスパ-トモデルと組み合わせる検討を行った。モデルの有効性を確かめつつあるが、専門家の判断に関する情報入手の困難という問題を残している。
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