1991 Fiscal Year Annual Research Report
半導体超微粒子における量子閉じ込めを受けた励起子と格子間の相互作用
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03452028
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
伊藤 正 東北大学, 理学部, 助教授 (60004503)
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| Keywords | 半導体微粒子 / 励起子 / 量子サイズ効果 / 量子閉じ込め効果 / 励起子・格子相互作用 / 〓射遷移 / 位相緩和 / フォトダ-クニング |
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| Research Abstract |
励起子量子閉じ込め効果の著しいCuCl超微粒子の励起子格子相互作用の研究を行ない、次の様な中間結果と成果を得た。
1.色素レ-ザ-を購入し、ピコ秒同期レ-ザ-に改造し、UV領域波長可変レ-ザ-を組立てた。これを用いた選択励起法により、励起子共鳴発光の線幅を測定し、励起子と音響フォノンとの相互作用が微粒子サイズの減少とともに著しく増大することを見出した。この現象を、サイズ減少とともに増大する変形ボテンシャル型の相互作用により説明した。
2.低温における励起子フォノンサイドバンドの詳しい測定を行ない、音響フォノンの量子閉じ込め的効果の存在の可能性を指摘した。
3.励起子〓射寿命と均一幅の関係を求め、大きなサイズの微粒子に〓射寿命の温度依存性がある原因として、励起子サブバンド間の熱的励起によるコヒ-レンスの消失がきいていることを指摘した。
4.2Kにおける均一幅の微粒子サイズ依存性から、通常の励起子格子相互作用以外に微粒子表面のからんだ均一幅への寄与が存在することを示した。これが励起子格子相互作用によるか、格子欠陥によるものかを今後追求する必要がある。
5.フォトファティ-グ現象(レ-ザ-光照射により励起子発光強度が時間とともに減少する現象)の観測には、スペクトルの経時変化を知ることが重要なので、小型分光器とダイオ-ドアレ-を組合せて、秒単位でスペクトル測定のできる装置を購入した。これを用いて、光強度、照射時間、照射温度、微粒子サイズの違いによる発光減少率の変化、励起子発光寿命の変化を調べた。光励起で作られた励起子の熱解離により生じた荷電粒子である電子正孔が表面付近に励起子捕獲中心を形成するとの解釈を示した。このような光構造変化と励起子格子相互作用の関連は目下検討中である。
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[Publications] 伊藤 正: "半導体超微粒子CuClの光物性" セラミックス誌. 6月号. 6 (1992)
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[Publications] T.ITOH: "Sizeーdependent Homogeneous Broadening of Confined Excitons in CuCl Microcrystals" Journal of Luminescence. 48&49. 704-6 (1991)
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[Publications] T.ITOH: "Sizeーdependent Optical Properties of Confined Excitons in CuCl Microcrystals" Solid State Optical Spectroscopy(World Scientific,Singapore). 80-108 (1991)
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[Publications] T.IKEHARA: "Picosecond Dynamics of Hot Biexcitons in CuCl under Weak Excitation Regime" Solid State Communications. 79. 755-759 (1991)
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[Publications] T.IKEHARA: "Dynamical Behavior of Excitonic Polariton in CuCl:Coherent Propergatation and Momentum Relaxation" Physical Review. B44. 9283-9294 (1991)
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[Publications] T.ITOH: "Optical Properties of Exciton Systems in CuCl Microcrystals and Their Optical Nonlinearitles" Nonlinear Optics(NLO). 1. 61-69 (1991)
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[Publications] 伊藤 正: "「シリ-ズ:新しい物性物理を考える」 第4巻第5章 線形分光法" 長澤信方 編, 45 (1992)
