1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452043
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
澤田 昭勝 岡山大学, 理学部, 教授 (30023154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西畑 保雄 岡山大学, 理学部, 助手 (90218181)
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Keywords | 強弾性 / 構造相転移 / フェリ弾性 / フェリ歪結晶 / 副格子 / 副格子歪 / 秩序パラメータ / ドメイン |
Research Abstract |
1.[N(CH_3)_4]_2ZnBr_4(以下Zn塩と呼ぶ)の単結晶を作成し,誘電率を300Kから100Kまでの広い温度範囲にわたって測定した.その結果,[N(CH_3)_4]_2CoBr_4塩(以下Co塩と呼ぶ)の場合と似ていて,a,b,cの三つの軸方向でそれぞれ特有の温度変化を示すことを見いだした.このZn塩の実験結果は,Co塩と同様に,結晶中に二つの副格子があり,それぞれのオーダー・パラメータの温度依存性が異なるというフェリ歪結晶モデルを使うと,合理的に説明できることが分かった(1992年春の物理学会で発表) 2.Zn塩の単結晶の相転移を偏光顕微鏡で観察した.その結果,単斜晶角βの90゚からのずれ△β〓β-90゚が0になる温度Tzにおいて,aウォールやcウォールのような直線状のドメイン・ウォールは変化しないが,aウォールとcウォールが直角に交わった直角ウォールは,明暗が逆転することを見いだした.この結果をフランスで開かれた「ドメインに関する国際会議」で発表したところ,大きな関心を呼んだ. K2S04の単結晶を作成し,室温296Kと極低温15Kにおいて構造解析を行った.オフセンター型の4軸回折装置に,Heクローズド・サイクル極低温冷凍器を取り付けて,試料を冷却した.極低温において,異常な回折図形を一度観測したが,現在その再現性を調べているところである.
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[Publications] A.Sawada: "Ferrielectric Behaviors in Li_2 Ge_7 0_<15> Crystals" Ferroelectrics. (1992)
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[Publications] A.Sawada: "Domain Structures at Ferridistortive Phase Transition in [N(CH_3)_4]_2Zn Br_4 Crystal" Ferroelectrics. (1992)
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[Publications] M.Wada: "Ferroelectric Phase Transition in Li_<2-x> Na_x Ge_4 0_9 (x〓0.5)" J.Phys.Soc.Jpn.62. 14-17 (1993)