1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452049
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Research Institution | university of Tokyo |
Principal Investigator |
寿栄松 宏仁 東京大学, 理学部, 教授 (70013513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 宏信 高エネルギー物理学研究所, 教授 (90013523)
村上 洋一 東京大学, 理学部, 助手 (60190899)
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Keywords | モノレイヤー結晶 / 酸素モノレイヤー / 2次元磁性体 / 反強磁性相転移 / 酸素の磁性 |
Research Abstract |
黒鉛結晶表面上に成長した酸素分子モノレイヤー結晶は、純枠な2次元結晶と考えられ、さらに酸素分子が磁気モーメントを持つことから2次元磁性体となりうる。本研究では、黒鉛表面上の酸素分子モノレイヤーの低温での反強磁性相転移を中性子回折によって明らかにし、磁気構造を決定すると同時に、強いスピン-格子間の相互作用の存在を検証した。さらに、窒化ボロン(Hexagonal BN)結晶表面上に酸素分子モノレイヤーを育成し、反強磁性転移と考えられる相転移を初めて観測した。 黒鉛結晶上の酸素モノレイヤーについては、高エネルギー研究所KEKパルス中性子回折装置を用い、高密度の常磁性相ζ相の反強磁性相ε相への転移に伴う磁気回折線を観測し、この相転移が格子歪みを伴う1次転移であることを明らかにした。また、反強磁性相での酸素分子の磁気モーメントがS=1±0.3の大きさであり、ガスでのそれにほぼ等しいことを初めて検証した。さらに興味深いことは、第2層目分子層が磁気的に秩序状態にないことが実験誤差内で結論できることである。 h-BN上の酸素モノレイヤーについては、既に昨年度に、高感度磁化測定から相図を決定し、黒鉛とは異なる相転移を明らかにしてきたが、今年度はK EK放射光施設で、SRX線による構造解析を初めて行なった。被服度に依存する3種類の結晶構造を決定し、基本的には黒鉛表面上のそれと等価であることを明らかにした。しかし、特筆すべきことは、低密度δ相において観測されていた比較的高温での帯磁率異常が反強磁性転移によるものであることが明らかになった点である。これは黒鉛表面上では観測されなかった磁気相転移であり、さらに低密度相の磁気転移温度が高密度相でのそれより高いことは極めて興味ある現象であり、今後発展する大きな課題であると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Yoshida: "Growth of Face-centered-cubic Single Crystals of C_<60> from Boiling Benzene" Applied Physics Letters. 161. 1043-1044 (1992)
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[Publications] T.Arai: "Irreversible Structural Transitions of Orthrhombic C_<60>ingli Crystal to Face-centered-cubic Phase." Journal of Physical Society of Japan. 161. 1821-1822 (1992)
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[Publications] T.Arai: "Resistivity of Single Crystal C_<60> and Effect of Oxygen" Solid State Communications. 184. 827-829 (1992)
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[Publications] H.Suemats: "Electronic and Magnetic Properties of Alkali Doped C60 Crystals" Journal of Materials Scienceand Engineering B. (1933)
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[Publications] H.Suematsu: "Structural Phase Transitions and Kinetic Processes in Graphite Intercalation Compounds" Kluwer Academic Publishers, The Netherlands, (1933)